稲荷神社(北海道小樽市春香町)

創建年 (西暦) 1690
住所 〒047-0265 北海道小樽市春香町291
公式サイト https://hokkaidojinjacho.jp/%E7%A8%B2%E8%8D%B7%E7%A5%9E%E7%A4%BE-58/

稲荷神社(北海道小樽市春香町)|張碓稲荷神社の歴史と参拝ガイド

北海道小樽市春香町に鎮座する稲荷神社は、正式には「張碓稲荷神社(はりうすいなりじんじゃ)」として知られる、元禄3年(1690)創立の歴史ある神社です。国道5号線沿いという交通の要所に位置し、300年以上にわたり地域の信仰を集めてきました。本記事では、この由緒ある北海道の神社について、歴史、祭神、例大祭、御朱印情報、アクセス方法まで詳しくご紹介します。

稲荷神社(張碓稲荷神社)の基本情報

所在地とアクセス

住所: 北海道小樽市春香町291番地
郵便番号: 〒047-0265
法人番号: 6430005007909(法人番号指定年月日:2015年10月5日)

張碓稲荷神社は国道5号線(札樽国道)沿いに位置しており、札幌方面から小樽方面へ向かう際に比較的見つけやすい場所にあります。車でのアクセスが便利で、国道沿いという立地から遠方からの参拝者も訪れやすい神社となっています。

神社の社格と位置づけ

明治8年(1875)に村社に列せられた稲荷神社は、北海道神社庁に所属する正式な神社です。北海道内には複数の稲荷神社が存在しますが、春香町の稲荷神社は特に長い歴史を持つ神社の一つとして知られています。

張碓稲荷神社の歴史

元禄3年(1690)の創立

稲荷神社の創立は元禄3年(1690)とされており、これは江戸時代中期にあたります。この時期、北海道(当時の蝦夷地)では松前藩の統治下で漁業や交易が発展しており、本州からの入植者や交易商人が増加していた時代です。稲荷信仰は商売繁盛や五穀豊穣の神として広く信仰されており、この地域の発展とともに神社が創建されたと考えられます。

明治時代の再建と発展

明治2年(1869)に神社は再建されました。この年は北海道という名称が正式に定められた年でもあり、明治新政府による北海道開拓が本格化した時期です。その後、明治8年(1875)には村社に列せられ、地域の正式な神社としての地位を確立しました。

村社への列格は、神社が地域社会において重要な役割を果たしていることを示すものであり、春香町および周辺地域の精神的な拠り所として認められたことを意味します。

昭和11年の移転遷座

昭和11年(1936)10月、稲荷神社は現在地へ移転遷座しました。この移転は、地域の発展や交通網の整備に伴うものと考えられます。国道5号線沿いという現在の立地は、参拝者のアクセスを考慮した選定だった可能性があります。

平成の社殿改築

平成12年(2000)、神社は大規模な社殿改築を行い、同年12月に遷座祭を執行しました。これは創立から310年を経た神社の大きな節目となる出来事でした。現在参拝者が目にする社殿は、この平成の改築によって整えられたものです。

祭神と御神徳

保食神(うけもちのかみ)

張碓稲荷神社の主祭神の一柱である保食神は、『日本書紀』に登場する食物を司る女神です。口から様々な食物を生み出したとされ、五穀豊穣、食物の恵み、生命の糧を司る神として崇敬されています。

農業や漁業が盛んだった北海道の開拓期において、食物を司る保食神への信仰は人々の生活に直結する重要なものでした。

豊受大神(とようけのおおかみ)

もう一柱の祭神である豊受大神は、伊勢神宮外宮の主祭神としても知られる穀物・食物の神です。天照大御神の食事を司る神として、古くから篤い信仰を集めてきました。

豊受大神は産業の発展、商売繁盛、衣食住の守護神としても信仰され、稲荷信仰と結びついて広く崇敬されています。

稲荷信仰の特徴

稲荷神社は全国に約3万社あるとされ、日本で最も社数の多い神社です。本来は農業神・穀物神として信仰されていましたが、時代とともに商売繁盛、家内安全、開運招福など幅広い御神徳を持つ神として信仰されるようになりました。

北海道の稲荷神社も、開拓時代から現代まで、地域の繁栄と人々の暮らしを見守り続けています。

「張碓」の地名の由来

アイヌ語「ハル・ウシ」から

「張碓(はりうす)」という地名は、アイヌ語の「ハル・ウシ」に由来するとされています。「ハル」は「食料」、「ウシ」は「多い所」「ある所」を意味し、「食料の多い所」という意味になります。

この地名は、この地域が豊かな自然に恵まれ、海産物や山の幸が豊富であったことを示しています。保食神や豊受大神という食物を司る神々を祀る稲荷神社が、まさに「食料の多い所」という意味を持つ張碓の地に鎮座していることは、非常に象徴的といえるでしょう。

小樽市春香町の位置

春香町は小樽市の西部に位置し、札幌市との境界に近い地域です。国道5号線が通る交通の要所であり、かつては張碓村として独立した行政区域でした。現在は小樽市に編入されていますが、張碓という地名は神社名や地域の呼称として今も残っています。

例大祭と年中行事

例大祭の日程

張碓稲荷神社の例大祭は、毎年6月第2日曜日に執り行われます。令和7年(2025)の例大祭は6月7日(土)から6月8日(日)にかけて開催される予定です。

例大祭は神社にとって最も重要な祭典であり、一年の中で最も盛大に神様をお祀りする日です。地域の氏子や崇敬者が集まり、神輿渡御や神楽奉納などが行われることがあります。

小樽市内の神社祭典

小樽市内には多数の神社があり、それぞれが独自の例大祭を執り行っています。張碓稲荷神社の例大祭は6月ですが、他の神社では異なる時期に祭典が行われ、小樽の街は一年を通じて様々な神社祭りで賑わいます。

例大祭の詳細な時間や神事の内容については、小樽市内の天満宮(電話:0134-22-7984)へ問い合わせることができます。

初詣と年中行事

稲荷神社では例大祭以外にも、元旦の歳旦祭(初詣)、節分祭、秋の新嘗祭など、年間を通じて様々な神事が執り行われています。特に初詣の時期には、新年の無病息災や商売繁盛を祈願する参拝者が訪れます。

御朱印について

御朱印の授与

張碓稲荷神社での御朱印授与については、神社に直接お問い合わせいただくことをお勧めします。北海道の神社の中には、宮司が常駐していない神社や、特定の日時のみ御朱印を授与している神社もあります。

小樽市内には複数の稲荷神社があり、例えば市街地の小樽稲荷神社では御朱印を授与していることが知られています。春香町の稲荷神社を参拝される際は、事前に授与の可否や時間を確認されることをお勧めします。

御朱印巡りと北海道の神社

近年、御朱印を集めながら神社を巡る「御朱印巡り」が人気を集めています。北海道には歴史ある神社が数多く存在し、それぞれが独自の御朱印を授与しています。小樽市内だけでも、小樽稲荷神社、住吉神社、龍宮神社など、多くの神社があり、御朱印巡りのルートとして楽しむことができます。

小樽市内の他の稲荷神社との違い

小樽稲荷神社との関係

小樽市内には「小樽稲荷神社」という別の稲荷神社が存在します。小樽稲荷神社は小樽市街地の稲穂地区に鎮座し、同じく元禄3年(1690)に創祀されました。大正元年(1912)に社名を「小樽稲荷神社」と改称し、昭和6年には郷社に列格した格式高い神社です。

春香町の稲荷神社(張碓稲荷神社)と小樽稲荷神社は、創立年が同じであることから、同時期の北海道開拓と稲荷信仰の広がりを示す重要な史跡といえます。両社は別の神社ですが、小樽という地域における稲荷信仰の歴史を共有しています。

地域における役割の違い

小樽稲荷神社が市街地の中心部に位置し、商業地域の守護神として発展したのに対し、張碓稲荷神社は春香町という比較的郊外の地域で、地域コミュニティの精神的支柱として機能してきました。国道5号線沿いという立地は、交通の安全を祈願する参拝者も訪れる要因となっています。

参拝のマナーと作法

神社参拝の基本

神社を参拝する際は、以下の基本的なマナーを守りましょう:

  1. 鳥居をくぐる際:一礼してから境内に入ります
  2. 手水舎での清め:左手、右手、口の順に清めます
  3. 参道の歩き方:中央は神様の通り道とされるため、端を歩きます
  4. 拝殿での作法:二拝二拍手一拝が基本です

稲荷神社特有の参拝

稲荷神社では、お稲荷様の使いとされる狐の像が置かれていることが多くあります。これらの狐像は神使(しんし)として大切にされており、参拝の際には敬意を払いましょう。

また、稲荷神社では油揚げや米、酒などが好物とされることから、これらをお供えする習慣もあります。

周辺の観光スポットと合わせた参拝

小樽観光との組み合わせ

張碓稲荷神社は札幌と小樽の中間地点に位置しているため、小樽観光と組み合わせた参拝が可能です。小樽市街地までは車で約20分程度の距離にあり、小樽運河、堺町通り、小樽オルゴール堂などの観光スポットを訪れる前後に参拝することができます。

国道5号線沿いの史跡

国道5号線は札幌と小樽を結ぶ歴史ある道路であり、沿線には多くの史跡や見どころがあります。張碓稲荷神社を訪れる際は、周辺の歴史的な場所も併せて巡ることで、北海道開拓の歴史をより深く理解することができます。

北海道の神社文化と稲荷信仰

北海道における神社の歴史

北海道の神社の多くは、明治以降の開拓時代に本州から移住した人々によって建立されました。しかし、張碓稲荷神社のように元禄年間(1688-1704)に創立された神社は、それ以前から北海道に人々が定住し、信仰生活を営んでいたことを示す貴重な証です。

稲荷信仰の広がり

稲荷信仰は京都の伏見稲荷大社を総本宮として、全国に広がりました。北海道においても、開拓者たちは故郷の稲荷神社から分霊を勧請し、新天地での五穀豊穣や商売繁盛を祈願しました。札幌の伏見稲荷神社(明治17年創建)や小樽の各稲荷神社は、こうした歴史的背景を持っています。

北海道神社庁の役割

北海道神社庁は、道内の神社を統括する組織として、神社の維持管理、神職の教育、神事の継承などを行っています。張碓稲荷神社も北海道神社庁に所属し、伝統的な神事や祭礼を守り続けています。

神社庁では神事のいろはや年中行事についての情報提供、雅楽のご案内なども行っており、神社文化の普及に努めています。

地域社会との関わり

氏子と崇敬者

張碓稲荷神社は春香町およびその周辺地域の氏神として、地域住民の信仰を集めてきました。氏子世帯は神社の維持管理や例大祭の運営に協力し、世代を超えて神社を守り続けています。

地域コミュニティの中心

神社は単なる信仰の場だけでなく、地域コミュニティの交流の場としても機能してきました。例大祭や初詣などの行事は、地域住民が集まり、絆を深める重要な機会となっています。

現代における稲荷神社の意義

歴史の継承

元禄3年(1690)から330年以上の歴史を持つ張碓稲荷神社は、北海道の歴史そのものを体現する存在です。江戸時代から明治、大正、昭和、平成、令和と時代を超えて存続してきた神社は、地域の歴史的アイデンティティの核となっています。

心の拠り所

現代社会においても、神社は人々の心の拠り所として重要な役割を果たしています。人生の節目での祈願、日々の感謝、困難な時の心の支えとして、多くの人々が神社を訪れます。

自然との調和

神社の境内は、都市化が進む現代において貴重な緑地空間でもあります。神域として守られてきた自然は、生態系の保全や地域の環境保護にも寄与しています。

まとめ

北海道小樽市春香町291番地に鎮座する稲荷神社(張碓稲荷神社)は、元禄3年(1690)創立という長い歴史を持つ由緒ある神社です。保食神と豊受大神を祭神として祀り、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全などの御神徳で知られています。

明治8年に村社に列せられ、昭和11年に現在地へ移転、平成12年には社殿が改築され、現在に至るまで地域の信仰を集め続けています。毎年6月第2日曜日には例大祭が執り行われ、多くの参拝者で賑わいます。

国道5号線沿いという交通の便が良い立地にあり、小樽観光と合わせて参拝することも可能です。「ハル・ウシ(食料の多い所)」というアイヌ語に由来する張碓の地で、食物を司る神々を祀る稲荷神社は、北海道の歴史と文化を今に伝える貴重な存在といえるでしょう。

北海道を訪れた際には、ぜひこの歴史ある稲荷神社に足を運び、300年以上の時を超えて受け継がれてきた信仰の場に触れてみてはいかがでしょうか。

Google マップで開く

近隣の神社仏閣