近戸神社(群馬県前橋市粕川町月田)完全ガイド|歴史・文化財・例大祭の見どころ
群馬県前橋市粕川町月田に鎮座する近戸神社(ちかどじんじゃ)は、平安時代から続く歴史を持ち、貴重な中世石造物群や県内最古の狛犬、約600年の伝統を誇る獅子舞「月田のささら」など、多くの文化財を有する神社です。本記事では、近戸神社の歴史、見どころ、例大祭、アクセス方法まで詳しくご紹介します。
近戸神社の基本情報
名称: 近戸神社(ちかどじんじゃ)/月田近戸神社
所在地: 群馬県前橋市粕川町月田1261
旧社格: 村社
祭神: 赤城神社と同じ神を祀るとされ、明治初期の資料には三夜沢赤城神社の分社であるとの記述が残されています。赤城大明神を主祭神とし、豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)を祀るとされています。
社号標: 鳥居扁額には「正一位近戸大明神」と記されており、かつての神仏習合時代の名残を今に伝えています。
近戸神社の歴史
近戸神社の創建は平安時代まで遡るとされ、長い歴史を持つ神社です。地域の信仰の中心として、月田地区の人々に崇敬されてきました。
赤城神社との関係
明治初期の資料によれば、近戸神社は三夜沢赤城神社の分社とされています。赤城山信仰は群馬県において広く浸透しており、赤城神社の分社・末社は県内各地に点在しています。近戸神社もその一つとして、赤城大明神への信仰を地域で守り続けてきました。
神仏習合の名残
境内や周辺には、かつて光善寺という寺院が存在していた痕跡が残されています。神社の裏手には庚申塚や多数の石仏が並んでおり、神仏習合時代の信仰形態を今に伝える貴重な史跡となっています。明治時代の神仏分離令以前は、神社と寺院が一体となって信仰されていたことが窺えます。
近戸神社の文化財
近戸神社には、国や自治体が指定する貴重な文化財が数多く保存されています。
月田近戸神社中世石造物群(前橋市指定重要文化財)
令和7年3月13日、「月田近戸神社中世石造物群」が前橋市指定重要文化財として正式に指定されました。この石造物群は以下の4基で構成されています。
六地蔵石殿
境内に安置されている六地蔵石殿は、石造りの珍しい形態を持つ地蔵堂です。六体の地蔵菩薩を石造の殿内に納めたもので、中世の石造美術を代表する作品として高く評価されています。地蔵信仰と神道が融合した独特の信仰形態を示す貴重な遺構です。
石造宝塔(赤城塔)
境内には石造宝塔、通称「赤城塔」と呼ばれる石塔が立っています。中世の石造技術を今に伝える貴重な文化財で、当時の信仰形態や石工技術の水準を知る上で重要な資料となっています。
石造物基礎1・2
かつて存在した石造物の基礎部分が2基残されており、これらも中世石造物群の一部として指定されています。当時の境内配置や信仰の様子を推測する手がかりとなる重要な遺構です。
群馬県内最古の狛犬
近戸神社の境内には、群馬県内で最も古いとされる狛犬が安置されています。石造の狛犬は風化が進んでいますが、古式の様式を残しており、中世から近世にかけての狛犬の変遷を知る上で極めて貴重な文化財です。多くの狛犬愛好家や研究者が訪れる、知る人ぞ知る名品として知られています。
神輿(指定文化財)
近戸神社が所有する神輿も文化財として指定されており、例大祭の際に使用されます。精巧な装飾が施された神輿は、地域の職人技術の結晶として大切に保存されています。
月田のささら(群馬県重要無形民俗文化財)
近戸神社の例大祭で奉納される獅子舞「月田のささら」は、群馬県重要無形民俗文化財に指定されています。約600年の歴史を持つ伝統芸能で、地域の人々によって代々受け継がれてきました。
月田近戸神社例大祭(月田のささら)
例大祭の概要
月田近戸神社の例大祭は毎年8月下旬に開催され、「月田のささら」と呼ばれる獅子舞が奉納されます。「ささら」という名称は、神社に奉納される獅子舞に由来しています。
開催時期: 毎年8月29日・30日(年によって変更の場合あり)
会場: 近戸神社境内および近戸神社外宮
獅子舞の特徴
日曜日の本祭りでは、天下泰平・五穀豊穣を祈念して獅子舞が奉納されます。約600年の歴史を持つこの獅子舞は、地域の青年団や保存会によって継承されており、古式ゆかしい舞が披露されます。
獅子舞は複数の演目から構成され、それぞれに意味が込められています。笛や太鼓の囃子に合わせて舞う獅子の姿は勇壮で、観客を魅了します。
例大祭の見どころ
- 宵宮(前夜祭): 8月29日に行われる宵宮では、神事や準備が行われます
- 本祭り: 8月30日(日曜日の場合)に獅子舞の奉納が行われます
- 神輿渡御: 文化財指定の神輿が地域を巡行します
- 露店: 境内や周辺には多数の露店が出店し、祭りを盛り上げます
御朱印について
近戸神社では御朱印をいただくことができます。
御朱印の受付場所: 神社裏手の宮司宅
受付時間: 参拝時間内(事前に確認することをお勧めします)
御朱印には「近戸神社」の墨書きと朱印が押され、訪問の記念となります。宮司さんが不在の場合もあるため、確実に御朱印をいただきたい方は、事前に連絡を入れることをお勧めします。
境内の見どころ
参道と鳥居
上毛電鉄膳駅から北へ約1.5kmの位置、吉池の手前に近戸神社の境内があります。道路沿いに参道が延び、鳥居が立っています。鳥居の扁額には「正一位近戸大明神」と記されており、格式の高さを物語っています。
本殿・拝殿
木造の本殿と拝殿は、地域の信仰の中心として大切に維持されています。シンプルながらも荘厳な雰囲気を持つ社殿は、参拝者を静かに迎え入れます。
石仏群
神社の裏手(北東側)には、光善寺の跡地と思われる場所に庚申塚や多数の石仏が並んでいます。江戸時代から明治時代にかけての信仰の様子を伝える貴重な史跡で、石仏愛好家にとっても見逃せないスポットです。
境内社
境内には本社以外にも小祠が祀られており、地域の多様な信仰を今に伝えています。
アクセス情報
電車でのアクセス
最寄り駅: 上毛電鉄「膳駅」
駅からの距離: 徒歩約20分(北へ約1.5km)
膳駅から北上し、吉池方面へ向かうと近戸神社の境内に到達します。道中は田園風景が広がり、のどかな雰囲気の中を散策できます。
バスでのアクセス
ふるさとバス(デマンドバス): 近戸神社前バス停下車すぐ
※デマンドバスは事前予約が必要です。利用する場合は前橋市の公式サイトで予約方法を確認してください。
車でのアクセス
住所: 群馬県前橋市粕川町月田1261
駐車場: 境内に参拝者用の駐車スペースがあります(例大祭時は混雑が予想されます)
カーナビ設定: 「近戸神社」または上記住所で検索
関越自動車道「前橋IC」から約30分、北関東自動車道「伊勢崎IC」から約25分程度です。
周辺の観光スポット
- 三夜沢赤城神社: 近戸神社の本社とされる赤城神社の一つ
- 粕川歴史民俗資料館: 地域の歴史を学べる施設
- 赤城山: 群馬県を代表する名山、ドライブやハイキングに最適
参拝のマナーと注意点
参拝の作法
- 鳥居をくぐる前に一礼
- 参道は中央を避けて歩く
- 手水舎で手と口を清める
- 拝殿前で二拝二拍手一拝
- 境内の文化財は写真撮影可能ですが、節度を持って
注意事項
- 御朱印をいただく際は、宮司宅を訪問するため、礼儀正しく対応しましょう
- 境内の石造物は貴重な文化財です。触れたり登ったりしないようにしてください
- 例大祭時は多くの参拝者で混雑します。時間に余裕を持って訪問しましょう
- 静かな住宅地にあるため、大声や騒音は控えましょう
近戸神社の魅力
近戸神社は、派手さはありませんが、平安時代から続く長い歴史と、地域の人々によって大切に守られてきた文化財が魅力の神社です。
群馬県内最古の狛犬や前橋市指定重要文化財の中世石造物群は、歴史や美術に興味がある方にとって必見の価値があります。また、600年続く「月田のささら」は、地域の伝統芸能の継承の素晴らしい例であり、例大祭の時期に訪れれば、生きた文化財を体験することができます。
静かな田園地帯に佇む近戸神社は、都会の喧騒から離れて心を落ち着けるのに最適な場所です。赤城山信仰の一端を担う神社として、また地域の歴史を今に伝える場所として、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
群馬県前橋市粕川町月田に鎮座する近戸神社は、平安時代からの歴史を持ち、令和7年に前橋市指定重要文化財となった中世石造物群、群馬県内最古の狛犬、約600年続く群馬県重要無形民俗文化財「月田のささら」など、多くの文化財を有する価値ある神社です。
三夜沢赤城神社の分社として赤城大明神を祀り、地域の信仰の中心として今も人々に親しまれています。御朱印もいただけるため、神社巡りをされる方にもおすすめです。
上毛電鉄膳駅から徒歩約20分、車でもアクセスしやすい立地にありますので、群馬県を訪れた際はぜひ足を運んでみてください。特に8月下旬の例大祭の時期には、伝統の獅子舞を鑑賞できる貴重な機会となります。
