西廻廊

西廻廊
住所 〒739-0588 広島県廿日市市宮島町1−1
電話 +81 829-44-2020
公式サイト http://www.itsukushimajinja.jp/route.html

西廻廊とは

西廻廊(にしかいろう)は、広島県廿日市市の厳島神社において、国宝に指定されている本社本殿から西方向へ延びる朱塗りの回廊です。東廻廊とともに厳島神社の参拝路を形成し、重要文化財に指定されています。

西廻廊の基本情報

  • 全長: 約108メートル
  • : 約4メートル
  • 柱数: 62本
  • 文化財指定: 重要文化財
  • 建築様式: 寝殿造の回廊形式

西廻廊の歴史

平安時代の創建

西廻廊は平安時代後期、平清盛による厳島神社の大規模造営(1168年)の際に整備されました。海上社殿を結ぶ重要な参拝路として、当初から現在と同様の位置に建てられています。

度重なる修復の歴史

厳島神社は台風や高潮による被害を繰り返し受けてきました。西廻廊も:

  • 1325年: 大規模修理の記録
  • 1571年: 毛利元就による再建
  • 1875年: 明治の大修理
  • 1950年代: 戦後の解体修理
  • 2004年: 台風18号被害後の修復

現在の建物は、これらの修理を経ながらも平安時代の様式を忠実に伝えています。

西廻廊の建築的特徴

海上社殿特有の構造

床板の隙間構造

西廻廊の最大の特徴は、床板と床板の間に約1センチの隙間が設けられていることです。これは:

  • 満潮時に海水の圧力を逃がす
  • 波のエネルギーを分散させる
  • 建物全体の浮力を調整する

という科学的な役割を果たしています。隙間から下を覗くと、潮の満ち引きによって海面や砂地が見え、厳島神社が「海に浮かぶ」様子を実感できます。

柱の工夫

62本の柱は海水に浸かることを前提に:

  • 材質: 耐久性の高いクスノキを使用
  • 基礎: 海底に打ち込まれた杭の上に設置
  • 防腐処理: 定期的な塗装と保護

が施されています。

朱塗りの美しさ

西廻廊の朱色は、丹(硫化水銀)を原料とする伝統的な顔料で塗装されています。この朱色には:

  • 神聖さの象徴
  • 魔除けの意味
  • 木材の防腐効果

という意味と実用性があります。青い海と緑の弥山を背景に映える朱色は、厳島神社を代表する景観です。

参拝のポイント

西廻廊の歩き方

参拝ルート

  1. 本社本殿から出発: 東廻廊から入った参拝者は、本殿参拝後に西廻廊へ
  2. 能舞台を右手に見る: 回廊の途中、右手に国宝の能舞台が見えます
  3. 反橋方向へ: 西廻廊の先には反橋(勅使橋)があります
  4. 大鳥居の眺望: 西廻廊からは大鳥居を正面に望む絶景ポイントがあります

床板の隙間体験

  • 干潮時(潮位100cm以下): 隙間から砂地や岩が見え、社殿の構造がよく分かります
  • 満潮時(潮位250cm以上): 海水が床下に満ち、波の音が聞こえます
  • 中潮時: 海水が床板に近づき、最もスリリングな体験ができます

撮影ポイント

おすすめアングル

  1. 回廊の奥行き: 西廻廊の直線を活かした遠近法の写真
  2. 朱色と海のコントラスト: 柱越しに見る青い海
  3. 床の隙間: 足元から覗く海面(マナーを守って)
  4. 夕景: 西向きの回廊は夕日に照らされて特に美しい

撮影時の注意点

  • 三脚の使用は禁止
  • 他の参拝者の妨げにならないよう配慮
  • フラッシュ撮影は控える
  • 混雑時は立ち止まらず流れに沿って移動

季節ごとの見どころ

  • 春(3-5月): 新緑と朱色のコントラスト、穏やかな瀬戸内海
  • 夏(6-8月): 強い日差しで朱色が鮮やか、床下の海水が涼しげ
  • 秋(9-11月): 弥山の紅葉を背景に、最も写真映えする季節
  • 冬(12-2月): 澄んだ空気で大鳥居がくっきり、観光客が少なく静か

アクセス情報

厳島神社へのアクセス

広島市内から

  1. JR山陽本線: 広島駅→宮島口駅(約25分、420円)
  2. 広島電鉄: 広島駅→広電宮島口(約70分、270円)
  3. フェリー: 宮島口→宮島桟橋(約10分、180円)
  • JR西日本宮島フェリー
  • 宮島松大汽船
  1. 徒歩: 宮島桟橋→厳島神社(約10分)

車でのアクセス

  • 山陽自動車道: 廿日市IC→宮島口(約10分)
  • 駐車場: 宮島口周辺に有料駐車場多数(1日1,000円前後)
  • 注意: 宮島島内へは車の乗り入れ不可

厳島神社の拝観情報

  • 拝観時間:
  • 1月-2月: 6:30-17:30
  • 3月-10月: 6:30-18:00
  • 11月-12月: 6:30-17:30
  • 拝観料: 大人300円、高校生200円、小中学生100円
  • 所要時間: 西廻廊を含む厳島神社全体で約40-60分

潮汐の確認方法

西廻廊の床下の海水を見るには潮汐の確認が重要です:

  • 厳島神社公式サイト: 月間潮汐表を掲載
  • 宮島観光協会: 当日の潮位情報
  • おすすめ潮位:
  • 床下の海を見る: 潮位200cm以上
  • 床板の構造を見る: 潮位100cm以下

ご利益と信仰

厳島神社のご祭神

西廻廊が繋ぐ本社本殿には、宗像三女神が祀られています:

  • 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと): 主祭神
  • 田心姫命(たごりひめのみこと)
  • 湍津姫命(たぎつひめのみこと)

主なご利益

海上安全・交通安全

海の神様として古くから信仰され、特に:

  • 航海の安全
  • 漁業の繁栄
  • 現代では交通安全全般

にご利益があるとされます。

商売繁盛・必勝祈願

平清盛が信仰したことから:

  • 商売繁盛
  • 事業成功
  • 勝負運向上

を願う参拝者が多く訪れます。

芸能上達

市杵島姫命は弁財天と習合し:

  • 音楽・芸能の上達
  • 美容・魅力向上
  • 学業成就

のご利益でも知られています。

参拝作法

  1. 鳥居をくぐる: 一礼してから
  2. 手水舎で清める: 左手→右手→口→左手の順
  3. 回廊を進む: 静かに、右側通行
  4. 本殿で参拝: 二礼二拍手一礼
  5. 西廻廊を通って退出: 振り返って一礼

周辺の見どころ

西廻廊から見える建造物

能舞台(国宝)

西廻廊の右手に見える能舞台は、現存する唯一の海上能舞台です。毎年4月の桃花祭では実際に能が奉納されます。

反橋(重要文化財)

西廻廊の先にある朱塗りの太鼓橋。勅使のみが渡ることを許された橋で、現在は通行できませんが、その優美な曲線は撮影スポットとして人気です。

大鳥居(重要文化財)

西廻廊から正面に望む高さ16メートルの大鳥居。干潮時には歩いて近づくことができます。

宮島島内の観光スポット

  • 弥山(みせん): ロープウェーで登れる標高535mの霊山
  • 大聖院: 宮島最古の寺院
  • 紅葉谷公園: 秋の紅葉の名所
  • 宮島水族館: 瀬戸内海の生き物を展示

まとめ

西廻廊は、厳島神社の美しさと建築技術の高さを体感できる重要な建造物です。朱塗りの柱が連なる景観、床板の隙間から見える海、潮の満ち引きによって変化する表情など、何度訪れても新しい発見があります。

参拝の際は、潮汐を確認して訪問時間を決め、ゆっくりと回廊を歩きながら平安時代から続く信仰の歴史に思いを馳せてみてください。西廻廊を通じて、世界遺産・厳島神社の魅力をより深く味わうことができるでしょう。

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