馬橋稲荷神社(東京都)完全ガイド|双龍鳥居と開運の鈴で知られる杉並区の古社
東京都杉並区阿佐谷南に佇む馬橋稲荷神社は、鎌倉時代末期から続く歴史ある神社です。双龍が彫られた珍しい鳥居や都内最大級の開運の鈴など、独特の魅力を持つこの神社は、地域住民から「馬橋稲荷(まばしいなり)」の愛称で親しまれています。本記事では、馬橋稲荷神社の歴史、見どころ、御朱印、アクセス方法、周辺情報まで、参拝前に知っておきたい情報を網羅的にご紹介します。
馬橋稲荷神社の歴史と由緒
鎌倉時代末期の創建
馬橋稲荷神社の創建は鎌倉時代末期(13世紀後半から14世紀初頭)とされています。旧馬橋村の鎮守社として、地域の人々の信仰を集めてきました。「馬橋」という地名は、かつてこの地域に馬が渡れる橋があったことに由来するとも言われています。
創建以来、約700年以上にわたり地域を見守り続けてきた馬橋稲荷神社は、杉並区の中でも特に歴史の深い神社の一つです。
「正一位足穂稲荷大明神」の神号拝受
天保2年(1831年)、拝殿改築に際して氏子53人が拠金し、京都白川神祇伯家御役所に上申しました。その翌年、天保3年(1832年)に「正一位足穂稲荷大明神(たるほいなりだいみょうじん)」の御神号を正式に拝受しました。
この神号拝受は、馬橋稲荷神社の格式の高さを示すものであり、「足穂(たるほ)」という名称は、稲荷神が五穀豊穣をもたらす神として、穀物を満たす(足る)という意味が込められているとされています。
昭和以降の発展
昭和50年(1975年)には鎮座700年記念事業として、現在の朱塗りの随神門が建立されました。この随神門には都内最大級といわれる開運の大鈴が吊るされ、馬橋稲荷神社の象徴的な存在となっています。
現在では、静かな神域での結婚式を挙げる方も増えており、伝統と現代が調和した神社として発展を続けています。
御祭神と御神徳
主祭神
馬橋稲荷神社には二柱の主祭神が祀られています。
宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)
稲荷神社の主祭神として広く知られる穀物・食物の神様です。五穀豊穣、商売繁盛、産業発展の御神徳があるとされています。「宇迦」は「穀物」を意味し、特に稲作を中心とした農業の守護神として崇敬されてきました。
大麻等能豆神(おおまとのづのかみ)
猿田彦神とも同一視される導きの神様です。道開き、方位除け、交通安全などの御神徳があり、人生の岐路に立った時や新しいことを始める際に参拝する方が多い神様です。
期待できる御利益
馬橋稲荷神社では以下のような御利益が期待できます。
- 五穀豊穣・商売繁盛:稲荷神の基本的な御神徳
- 開運招福:開運の鈴にちなんだ運気上昇
- 家内安全:地域の鎮守としての守護
- 交通安全:大麻等能豆神の導きの力
- 縁結び・良縁:結婚式も行われる神社として
- 厄除け・方位除け:猿田彦神の御神徳
馬橋稲荷神社の見どころ
双龍鳥居(東京三鳥居の一つ)
馬橋稲荷神社最大の見どころが、参道にある双龍鳥居です。この鳥居には左側に昇り龍、右側に降り龍が見事に彫刻されており、その芸術性の高さから多くの参拝者を魅了しています。
龍が巻き付いた鳥居は東京都内でも非常に珍しく、品川神社、宿鳳山高円寺内の稲荷社と当社の三つのみであることから、「東京三鳥居」と呼ばれています。
昇り龍は上昇運や発展、降り龍は安定や守護を象徴するとされ、両方の龍が参拝者を迎え入れる形になっています。写真撮影スポットとしても人気が高く、SNSでも多くの投稿が見られます。
開運の大鈴(都内最大級)
随神門の中央天井に吊るされている開運の大鈴は、直径75センチメートルもあり、鳴らせる鈴としては都内最大級です。昭和50年(1975年)の鎮座700年記念事業の際に設置されました。
この大鈴は参拝者が綱を引いて鳴らすことができ、その澄んだ音色が境内に響き渡ります。鈴の音には邪気を払い、神様を呼び寄せる力があるとされており、開運招福の象徴として多くの参拝者が鳴らしていきます。
随神門
朱塗りが美しい随神門は、開運の大鈴とともに馬橋稲荷神社のシンボル的存在です。門の左右には随神(門を守護する神様)が安置されており、参道から本殿へと続く神域の入口を荘厳に守っています。
随神門をくぐる際には、心を整えて一礼するのが参拝の作法です。
本殿・拝殿
天保2年(1831年)に改築された拝殿は、江戸時代後期の建築様式を今に伝える貴重な建造物です。本殿は拝殿の奥に鎮座しており、宇迦之御魂神と大麻等能豆神が祀られています。
社殿周辺は静謐な雰囲気に包まれており、都会の喧騒を忘れさせてくれる空間となっています。
大神輿
馬橋稲荷神社には、大正11年(1922年)に上野での東京平和博覧会に出品された大神輿があります。名工・秋山三五郎の作で、大正期の高い技術が光る逸品です。
細部まで精巧に作られたこの神輿は、祭礼の際に担がれ、地域を練り歩きます。普段は神輿庫に保管されていますが、その荘厳な姿を見ることができる機会もあります。
境内の雰囲気
杉並区の閑静な住宅街に囲まれた馬橋稲荷神社の境内は、都心にありながら緑豊かで落ち着いた雰囲気です。参道は長く、一歩足を踏み入れると日常から切り離された神聖な空間が広がります。
四季折々の自然を感じられる境内は、散策にも最適で、地域住民の憩いの場としても親しまれています。
年中行事と祭礼
初午祭と餅つき式
馬橋稲荷神社で最も重要な祭礼が、2月の初午の日に行われる初午祭です。稲荷神社にとって初午は特別な日で、全国の稲荷神社で盛大に祝われます。
馬橋稲荷神社の初午祭では、氏子中に伝わる伝統的な「餅つき式」が行われます。氏子たちが餅つき唄を歌いながら餅をつく様子は、江戸時代から続く貴重な民俗行事として、多くの見物客で賑わいます。
つかれた餅は参拝者に配られ、この餅を食べると一年間健康でいられるという言い伝えがあります。
その他の年中行事
- 元旦祭(1月1日):新年を祝う祭典
- 節分祭(2月3日頃):豆まきで厄を払う
- 例大祭(9月):年に一度の大祭で神輿渡御も
- 七五三(11月):子どもの成長を祝う
- 大祓(6月・12月):半年の穢れを祓う神事
御朱印情報
御朱印の種類とデザイン
馬橋稲荷神社では、通常の御朱印をいただくことができます。中央に「馬橋稲荷神社」の墨書き、右側に参拝日、左側に「杉並区阿佐谷南鎮座」などの記載があり、朱印が押されます。
季節限定の御朱印や特別な日の御朱印が授与されることもあるため、公式情報をチェックするとよいでしょう。
御朱印の受付時間
御朱印は社務所で授与されます。受付時間は概ね9時から17時頃までですが、神職の都合により不在の場合もあります。確実に御朱印をいただきたい場合は、事前に電話で確認することをおすすめします。
初穂料は一般的な300円~500円程度です。
御朱印帳
オリジナルの御朱印帳が授与されている場合もあります。双龍鳥居や開運の鈴をデザインした御朱印帳は、参拝の記念になります。
参拝方法とマナー
基本的な参拝作法
- 鳥居をくぐる前に一礼:神域に入る前の礼儀
- 参道は端を歩く:中央は神様の通り道
- 手水舎で清める:左手→右手→口→左手の柄杓の柄の順
- 随神門で一礼:開運の鈴を鳴らす
- 拝殿前で参拝:二礼二拍手一礼
参拝時の服装
特に厳格な服装規定はありませんが、神聖な場所であることを意識した服装が望ましいです。結婚式が行われることもあるため、極端にカジュアルな服装は避けた方が無難でしょう。
写真撮影について
境内での写真撮影は基本的に可能ですが、本殿内部や御祈祷中の撮影は控えましょう。双龍鳥居や開運の鈴は人気の撮影スポットですが、他の参拝者の妨げにならないよう配慮が必要です。
アクセス情報
基本情報
所在地:〒166-0004 東京都杉並区阿佐谷南2丁目4番4号
電話番号:03-3311-8588
FAX:03-3316-1680
電車でのアクセス
JR中央線「阿佐ヶ谷駅」から
- 南口から徒歩約10分
- 最もアクセスしやすいルート
- 駅から商店街を抜けて住宅街へ向かう
東京メトロ丸ノ内線「南阿佐ヶ谷駅」から
- 徒歩約12分
- 青梅街道沿いのルート
JR中央線「高円寺駅」から
- 北口から徒歩約15分
- 阿佐ヶ谷駅からの方が近い
車でのアクセス
首都高速4号新宿線「高円寺出入口」から約10分程度です。ただし、境内に専用駐車場がないため、周辺のコインパーキングを利用する必要があります。
住宅街の中にあるため、道幅が狭い箇所もあります。初めて訪れる場合は、公共交通機関の利用をおすすめします。
駐車場情報
神社専用の駐車場はありませんが、周辺にいくつかのコインパーキングがあります。
- 阿佐ヶ谷駅周辺のパーキング
- 神社近隣の民間駐車場
初詣や祭礼時は混雑が予想されるため、電車でのアクセスが無難です。
馬橋稲荷神社周辺のおすすめ観光スポット
阿佐ヶ谷パールセンター商店街
阿佐ヶ谷駅から馬橋稲荷神社へ向かう途中にある、全長約700メートルのアーケード商店街です。約250店舗が軒を連ね、昭和レトロな雰囲気が漂います。
毎年8月には「阿佐谷七夕まつり」が開催され、巨大な張りぼて飾りが商店街を彩ります。関東三大七夕祭りの一つとして知られ、期間中は多くの人で賑わいます。
高円寺
馬橋稲荷神社から徒歩圏内の高円寺は、サブカルチャーの聖地として知られています。古着屋、ライブハウス、個性的な飲食店が集まり、若者文化の発信地となっています。
高円寺氷川神社や高円寺(寺院)なども近く、散策に最適です。
善福寺川緑地
杉並区を流れる善福寺川沿いに整備された緑地公園です。桜の名所としても知られ、春には多くの花見客で賑わいます。ジョギングや散歩コースとして地域住民に親しまれています。
大田黒公園
音楽評論家・大田黒元雄の屋敷跡を整備した日本庭園です。イチョウ並木や回遊式庭園が美しく、特に秋の紅葉ライトアップは必見です。阿佐ヶ谷駅から徒歩約15分の距離にあります。
馬橋稲荷神社周辺のグルメ情報
阿佐ヶ谷のおすすめグルメ
老舗の洋食店
阿佐ヶ谷には昭和から続く洋食店が多く、ハンバーグやオムライスなど懐かしい味を楽しめます。
個性派カフェ
古民家を改装したカフェや、こだわりのコーヒーを提供する喫茶店など、個性的なカフェが点在しています。
ラーメン激戦区
阿佐ヶ谷・高円寺エリアはラーメン激戦区としても有名で、様々なジャンルのラーメン店があります。
居酒屋・バー
参拝後に立ち寄れる居酒屋やバーも豊富です。地元の常連客で賑わう店も多く、下町情緒を感じられます。
馬橋稲荷神社周辺のホテル・宿泊施設
阿佐ヶ谷・高円寺エリアの宿泊
阿佐ヶ谷駅周辺には大型ホテルは少ないですが、ビジネスホテルやゲストハウスがあります。
ビジネスホテル
- 駅近くの利便性の高いビジネスホテル
- リーズナブルな価格設定
ゲストハウス
- バックパッカー向けの安価な宿泊施設
- 国際交流も楽しめる
新宿・中野エリアのホテル
より多くの選択肢を求める場合は、JR中央線で数駅の新宿駅や中野駅周辺のホテルを利用するのも便利です。
新宿駅周辺
- 大型ホテルからビジネスホテルまで多様な選択肢
- 阿佐ヶ谷駅まで電車で約10分
中野駅周辺
- 比較的リーズナブルなホテルが多い
- 阿佐ヶ谷駅まで電車で約5分
結婚式・御祈祷について
神前結婚式
馬橋稲荷神社では、静かな神域で厳かな神前結婚式を挙げることができます。都心にありながら落ち着いた雰囲気の境内は、人生の門出にふさわしい場所として人気が高まっています。
結婚式を希望する場合は、事前に社務所へ問い合わせ、日程や詳細を相談する必要があります。
各種御祈祷
馬橋稲荷神社では以下のような御祈祷を受けることができます。
- 厄除け・厄払い
- 家内安全
- 商売繁盛
- 交通安全
- 安産祈願
- 初宮詣
- 七五三
- 合格祈願
- 病気平癒
御祈祷を希望する場合は、事前に電話で予約することをおすすめします。初穂料は祈願内容により異なります。
馬橋稲荷神社の口コミ・評判
参拝者の声
双龍鳥居の美しさ
「龍の彫刻が本当に見事で、東京三鳥居の一つというのも納得です。写真映えもするので、カメラ持参がおすすめ」
開運の鈴の迫力
「都内最大級というだけあって、鈴の大きさに圧倒されました。鳴らした時の音色が心地よく、本当に開運しそうな気分になります」
静かで落ち着いた雰囲気
「住宅街の中にありながら、境内は別世界のように静か。都会の喧騒を忘れてゆっくり参拝できました」
初午祭の餅つき式
「伝統的な餅つき唄を聞きながらの餅つき式は、江戸時代にタイムスリップしたような感覚。つきたての餅も美味しかったです」
訪問者の傾向
馬橋稲荷神社には、以下のような方々が訪れています。
- 御朱印集めをしている神社巡りファン
- 双龍鳥居を撮影したい写真愛好家
- 地域住民の日常的な参拝
- 初詣や初午祭などの年中行事参加者
- 結婚式を挙げるカップル
- 七五三などの人生儀礼
- 阿佐ヶ谷・高円寺観光のついでに立ち寄る観光客
まとめ
馬橋稲荷神社は、鎌倉時代末期の創建から約700年の歴史を持つ、東京都杉並区を代表する神社です。双龍鳥居、開運の大鈴、伝統的な初午祭の餅つき式など、他の神社にはない独自の魅力にあふれています。
JR中央線阿佐ヶ谷駅から徒歩10分という好立地ながら、静謐な雰囲気を保っており、都会の中のオアシスとして地域住民にも観光客にも親しまれています。
五穀豊穣、商売繁盛、開運招福、交通安全など多様な御利益があり、人生の節目や日々の感謝を伝える場として最適です。阿佐ヶ谷・高円寺エリアを訪れる際は、ぜひ馬橋稲荷神社に足を運んでみてください。双龍鳥居をくぐり、開運の鈴を鳴らせば、きっと良い運気が巡ってくることでしょう。
