磐井神社(東京都大田区)

磐井神社(東京都大田区)
創建年 (西暦) 573
住所 〒143-0016 東京都大田区大森北2丁目20−8
公式サイト http://iwaijinja.tokyo/

磐井神社(東京都大田区)完全ガイド|式内社の歴史・御朱印・アクセス情報

東京都大田区大森北に鎮座する磐井神社(いわいじんじゃ)は、平安時代に編纂された延喜式神名帳に記載される式内社として、1000年以上の歴史を持つ格式高い神社です。かつては鈴森八幡宮とも称され、武蔵国八幡総社として武蔵国全域の八幡宮を統括する重要な位置を占めていました。

本記事では、磐井神社の詳細な歴史、御祭神、境内の見どころ、御朱印情報、アクセス方法まで、参拝前に知っておきたい情報を網羅的にご紹介します。

磐井神社の基本情報

所在地: 東京都大田区大森北2-20-8
旧社格: 郷社
式内社: 延喜式内社(小社)
御祭神: 応神天皇、仲哀天皇、神功皇后、姫大神、大己貴命
例祭日: 9月15日
最寄駅: 京急本線「大森海岸駅」徒歩約2分、JR京浜東北線「大森駅」徒歩約10分

磐井神社の歴史

創建から平安時代まで

磐井神社の創建は、敏達天皇2年(573年)8月と伝えられています。約1450年前という非常に古い歴史を持ち、この地域では最古級の神社の一つです。当初から八幡宮として、応神天皇をはじめとする御祭神を祀ってきました。

平安時代の貞観元年(859年)には、『日本三代実録』に「武蔵国従五位磐井神社官社に列す」と記録されており、朝廷から正式に認められた官社となりました。この時期、磐井神社は武蔵国における八幡宮の総社として位置づけられ、武蔵国内の八幡信仰の中心的存在となったと伝えられています。

平安時代後期の延長5年(927年)に編纂された『延喜式神名帳』には、武蔵国荏原郡の式内社として正式に記載されました。式内社とは、延喜式に記載された由緒正しい神社のことで、全国で約3000社、武蔵国では44社のみが選ばれた格式高い神社です。

中世から江戸時代

中世の永正年間(1504-1521年)には兵火にかかり、社殿が焼失するという災難に見舞われました。しかし、その後も地域の人々の信仰は途絶えることなく続きました。

江戸時代に入ると、磐井神社は東海道の往来に近い立地から、多くの旅人が参拝する神社として栄えました。享保10年(1725年)には、徳川八代将軍吉宗公による社殿造営の記録が残っており、幕府からも重視されていたことがうかがえます。

この時期、神社前にあった「磐井の井戸」は霊水・薬水として広く知られ、東海道を行き交う旅人たちが喉を潤しました。「心正しければ清水、邪心があれば塩水になる」という伝説があり、万病に効く薬水として江戸庶民の間で評判となりました。

江戸時代には「鈴森八幡宮」「鈴の森八幡宮」「鈴ヶ森八幡宮」とも称されており、地域の総鎮守として崇敬を集めていました。

近代から現代へ

明治時代の神仏分離令を経て、明治5年(1872年)には村社に列格されました。その後、昭和9年(1934年)には郷社に昇格し、地域における重要性がさらに高まりました。

しかし、昭和20年(1945年)5月の東京大空襲により、社殿は戦火で焼失してしまいます。戦後の復興期を経て、昭和29年(1954年)9月に社殿が再建され、現在の姿となりました。

現在も大田区を代表する神社として、地域住民の信仰を集めるとともに、式内社としての歴史的価値から多くの参拝者が訪れています。

御祭神について

磐井神社には五柱の神様が祀られています。

応神天皇(おうじんてんのう)

主祭神として祀られる第15代天皇。八幡神として全国の八幡宮で祀られており、武運の神、国家鎮護の神として崇敬されています。

仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)

第14代天皇で、応神天皇の父にあたります。武勇に優れた天皇として知られています。

神功皇后(じんぐうこうごう)

仲哀天皇の皇后で、応神天皇の母。三韓征伐の伝説で知られ、安産の神としても信仰されています。

姫大神(ひめおおかみ)

八幡三神の一柱として、宗像三女神を指すとされています。

大己貴命(おおなむちのみこと)

大国主命の別名で、国造りの神として知られています。縁結び、商売繁盛、病気平癒などの御神徳があります。

これら五柱の神々により、武運長久、国家安泰、厄除開運、家内安全、縁結び、安産など、幅広い御神徳があるとされています。

境内の見どころ

社殿

昭和29年に再建された社殿は、伝統的な神社建築の様式を踏襲しつつ、戦後の技術で建てられた堅牢な造りとなっています。拝殿、幣殿、本殿が一体となった権現造りの形式です。

狛犬と獅子子

境内に佇む一対の狛犬は、都内でも珍しい特徴を持っています。それぞれの狛犬に三匹ずつ、合計六匹の獅子子(子獅子)が彫られており、親獅子が子獅子を守る姿が表現されています。この狛犬は子宝・安産・家庭円満の象徴として親しまれており、多くの参拝者が撫でていくことで知られています。

磐井の井戸跡

かつて神社の名前の由来ともなった「磐井の井戸」がありました。江戸時代には東海道を行く旅人が喉を潤す名水として知られ、霊水・薬水として万病に効くと信じられていました。「心正しければ清水、邪心があれば塩水になる」という伝説が残されています。現在は井戸そのものは残っていませんが、その歴史を伝える案内板が設置されています。

鳥居と参道

第一京浜(国道15号)沿いに面した鳥居をくぐると、静かな境内が広がります。都心の喧騒から一歩入ると、別世界のような静寂さを感じることができます。

東海七福神・弁財天

磐井神社は東海七福神めぐりの一つとして、弁財天が祀られています。弁財天は芸能、学問、財福の神として信仰され、七福神めぐりの参拝者も多く訪れます。毎年1月には七福神めぐりで特に賑わいます。

文化財

磐井神社には、歴史的価値のある文化財が残されています。

石造物

境内には江戸時代から明治時代にかけての石造物が複数残されており、当時の信仰の様子を今に伝えています。手水舎の水盤や石灯籠などに、奉納者の名前や年号が刻まれています。

古文書

社務所には、徳川吉宗による造営記録をはじめ、江戸時代から伝わる古文書が保管されています。これらは大田区の歴史を知る上でも貴重な資料となっています。

御朱印情報

磐井神社では、参拝者に御朱印を授与しています。

通常の御朱印

磐井神社の社名と参拝日が墨書きされ、社印が押された御朱印がいただけます。初穂料は300円が一般的です。

月替わり御朱印

磐井神社の特徴として、月替わりの御朱印が授与されています。季節の花や行事をモチーフにしたデザインが施され、毎月異なる御朱印を受けることができます。カラフルで美しいデザインが人気で、コレクターも多く訪れます。

東海七福神の御朱印

東海七福神めぐりの一社として、弁財天の御朱印も授与されています。専用の色紙に集めることもできます。

授与時間

御朱印の授与時間は、通常9時から17時頃までですが、神事や行事により変更になる場合があります。確実に受けたい場合は、事前に電話で確認することをおすすめします。

例祭・神事

例大祭(9月15日)

磐井神社の最も重要な祭礼で、毎年9月15日を中心に執り行われます。神輿渡御や奉納演芸など、地域を挙げての盛大な祭りとなります。

初詣(1月1日~3日)

新年には多くの参拝者が初詣に訪れます。特に東海七福神めぐりの時期は、弁財天を参拝する人々で賑わいます。

月次祭

毎月1日と15日には月次祭が執り行われ、氏子崇敬者の安寧を祈願します。

その他の神事

節分祭、夏越の大祓、秋季大祭など、年間を通じて様々な神事が執り行われています。

授与品

お守り

磐井神社では、様々な種類のお守りが授与されています。

  • 厄除守: 厄年の方や厄除けを願う方に
  • 安産守: 神功皇后の御神徳にあやかる安産のお守り
  • 子授守: 子宝を願う方に、獅子子の狛犬にちなんだお守り
  • 交通安全守: 車や自転車の安全を祈願
  • 学業成就守: 受験生や学生に人気
  • 健康守: 病気平癒、健康長寿を願う方に

絵馬

願い事を書いて奉納する絵馬も授与されています。獅子子の狛犬がデザインされた絵馬は、子宝・安産祈願に特に人気です。

御神札

家庭の神棚に祀る御神札も授与されています。

アクセス方法

電車でのアクセス

京急本線「大森海岸駅」から
最寄駅は京急本線の大森海岸駅で、徒歩約2分と非常にアクセスが良好です。改札を出て第一京浜(国道15号)方面に進み、右折すればすぐに神社の鳥居が見えます。

JR京浜東北線「大森駅」から
JR大森駅からは徒歩約10分です。東口を出て第一京浜方面に向かって歩きます。

バスでのアクセス

東急バス、京急バスなど複数の路線が近くを通っています。「大森海岸駅」バス停が最寄りです。

車でのアクセス

第一京浜(国道15号)沿いに位置しており、品川方面から約5km、川崎方面からもアクセスしやすい立地です。ただし、専用の駐車場は限られているため、公共交通機関の利用をおすすめします。近隣にコインパーキングがあります。

住所とマップ

〒143-0016 東京都大田区大森北2-20-8

周辺の観光スポット

しながわ水族館

大森海岸駅から徒歩圏内にある水族館。イルカショーやアシカショーが人気です。

大森貝塚遺跡庭園

日本の考古学発祥の地として知られる大森貝塚の遺跡を保存した公園。歴史に興味のある方におすすめです。

平和の森公園

フィールドアスレチックが楽しめる大きな公園。家族連れに人気のスポットです。

鈴ヶ森刑場跡

江戸時代の刑場跡で、歴史的な史跡として知られています。磐井神社から徒歩圏内です。

参拝のマナーとポイント

参拝の作法

  1. 鳥居をくぐる前に一礼
  2. 参道は中央を避けて歩く
  3. 手水舎で手と口を清める
  4. 拝殿前で二拝二拍手一拝
  5. 帰りも鳥居で一礼

参拝のベストタイミング

朝の静かな時間帯は、落ち着いて参拝できるのでおすすめです。月替わり御朱印を目当てに訪れる場合は、月初めは混雑することがあります。

写真撮影について

境内での写真撮影は一般的に可能ですが、神事中や他の参拝者の迷惑にならないよう配慮が必要です。本殿内部の撮影は禁止されています。

磐井神社の魅力まとめ

磐井神社は、東京都大田区という都心にありながら、1000年以上の歴史を持つ式内社として、古代から続く信仰の場を今に伝えています。武蔵国八幡総社としての格式、霊水として知られた磐井の井戸の伝説、獅子子を従えた珍しい狛犬、そして月替わりの美しい御朱印など、多彩な魅力を持つ神社です。

大森海岸駅から徒歩2分という好立地で、気軽に参拝できるのも大きな魅力です。東海七福神めぐりの一社としても知られ、年間を通じて多くの参拝者が訪れます。

歴史ある式内社で心静かに参拝し、都会の喧騒を忘れて心を整える時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。御朱印集めをされている方にとっても、月替わりの御朱印は訪れる楽しみの一つとなるでしょう。

大田区を訪れた際には、ぜひ磐井神社に足を運んで、その歴史と静謐な雰囲気を体感してください。

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