三囲神社(東京都墨田区)完全ガイド|歴史・御朱印・三井家との深い縁
東京都墨田区向島に鎮座する三囲神社(みめぐりじんじゃ)は、江戸時代から三井家と三井グループの守護社として崇敬を集めてきた歴史ある神社です。隅田川七福神の「恵比寿」と「大国神」を祀り、境内には三角形に組まれた珍しい三角石鳥居やライオン像など、他の神社では見られない独特の文化財が点在しています。
本記事では、三囲神社の由緒から参拝情報、見どころ、アクセス方法まで、訪れる前に知っておきたい情報を詳しくご紹介します。
三囲神社の基本情報
正式名称:三囲神社(三圍神社)
読み方:みめぐりじんじゃ
所在地:〒131-0033 東京都墨田区向島2-5-17
主祭神:宇迦御魂之命(うがのみたまのみこと)
旧社格:村社(旧小梅村の鎮守)
例祭日:4月上旬
参拝時間:終日参拝可能(社務所の受付時間は要確認)
参拝料金:無料
管轄:東京都神社庁
三囲神社は正式には旧字体の「三圍神社」と表記されますが、現在は「三囲神社」と書かれることも多くなっています。古くは「三囲稲荷(みめぐりいなり)」とも称されていました。
三囲神社の歴史と由緒
創建と名前の由来
三囲神社の創建は承和2年(835年)とされ、弘法大師空海が勧請したと伝えられています。しかし、その後荒廃してしまい、文和2年(1351年)に近江国・三井寺(園城寺)の旅僧によって再興されました。
再興の際、社殿の下から壺が発掘され、その中から神像が発見されました。すると、どこからともなく白狐が現れ、その神像の周囲を三度巡ったという伝説があります。この「三度巡った」という出来事から「三囲」という社名が付けられたとされています。
三井家との深い縁
三囲神社が特に有名になったのは、江戸時代に三井家の守護社として崇敬されるようになってからです。社号に使われる「囲」という文字が、三井の「井」の字に塀を張り巡らせて守っているように見えることから、三井家は縁起が良いとしてこの神社を篤く信仰しました。
現在も三井家と三井グループ各社から信仰され、境内には三井グループに関連する奉納物が数多く見られます。日本橋三越本店の屋上にも三囲神社の分社が祀られており、高村光雲作の「活動大黒天」が安置されています。
宝井其角と雨乞いの句
元禄6年(1693年)の大干ばつの際、俳人・宝井其角(たからいきかく)が三囲神社で雨乞いの句を詠んだことで、この神社は江戸市民に広く知られるようになりました。其角は松尾芭蕉の高弟として知られる江戸の文化人で、彼の詠んだ句によって三囲神社の名声は一気に高まりました。
この雨乞いの逸話は、三囲神社が単なる稲荷社ではなく、江戸の文化と深く結びついた神社であることを示しています。
御祭神とご利益
主祭神:宇迦御魂之命
三囲神社の主祭神は宇迦御魂之命(うがのみたまのみこと)です。この神様は京都の伏見稲荷大社の主祭神でもあり、稲荷信仰の中心的な神様として広く信仰されています。
宇迦御魂之命は穀物・食物を司る神様で、五穀豊穣、商売繁盛、産業発展のご利益があるとされています。
隅田川七福神の恵比寿・大国神
三囲神社は隅田川七福神めぐりの札所の一つとして、恵比寿神と大国神(大黒天)の二柱を祀っています。これは非常に珍しく、一つの神社で七福神のうち二柱を祀っているのは特別なことです。
恵比寿神:商売繁盛、漁業豊漁のご利益
大国神:五穀豊穣、縁結び、福徳円満のご利益
隅田川七福神めぐりは、向島・墨田地域の七つの寺社を巡る人気の巡礼コースで、特に正月には多くの参拝者で賑わいます。
期待できるご利益
- 商売繁盛
- 五穀豊穣
- 産業発展
- 家内安全
- 福徳円満
- 開運招福
- 縁結び
三井家が守護社として信仰してきたことから、特に商売繁盛や事業繁栄を願う参拝者が多く訪れます。
境内の見どころ
三囲神社の境内は決して広くはありませんが、見どころが凝縮されており、参拝以外にも様々な文化財や史跡を楽しむことができます。
三角石鳥居(三柱鳥居)
境内の奥には、三つの鳥居を組み合わせた珍しい三角形の鳥居があります。これは「三柱鳥居(みはしらとりい)」とも呼ばれ、上から見ると正三角形になっている非常に珍しい形状です。
この三角石鳥居は、京都の木嶋神社(蚕ノ社)や奈良の大神神社などにも見られる古代の信仰形態を残す貴重な文化財です。三囲神社の三角鳥居は、三井家との縁を象徴するものとも言われています。
ライオン像(三越のライオン像)
境内には、日本橋三越本店の入口にあるのと同じライオン像が設置されています。これは三井グループと三囲神社の深い関係を示す象徴的な奉納物です。
三越のライオン像は、イギリスのトラファルガー広場にあるライオン像をモデルに制作されたもので、三越の守り神として親しまれています。三囲神社のライオン像も同様に、商売繁盛と守護の象徴として大切にされています。
数多くの石碑と記念碑
境内にはところ狭しと石碑や記念碑が立ち並んでいます。これらは江戸時代から昭和にかけて、三井家や崇敬者によって奉納されたもので、神社の長い歴史と信仰の厚さを物語っています。
宝井其角に関連する句碑や、三井家の関係者による奉納碑など、歴史的価値の高い石碑が多数あります。
コンクリート製の社殿
現在の社殿は、関東大震災や戦災を経て再建されたもので、コンクリート造りとなっています。伝統的な神社建築とは異なる近代的な造りですが、これも三囲神社の歴史の一部として興味深い特徴です。
末社・摂社
境内には複数の末社・摂社が祀られており、それぞれに参拝することができます。小さな境内ながら、様々な神様が祀られているのも三囲神社の魅力の一つです。
御朱印情報
三囲神社では御朱印をいただくことができます。
受付場所:社務所
受付時間:概ね9:00〜17:00頃(状況により変動あり)
初穂料:300円〜500円程度
特別御朱印:正月や例祭時には限定御朱印が授与されることがあります
隅田川七福神めぐりの色紙や専用の御朱印帳もあり、七福神めぐりの一環として参拝する方も多くいらっしゃいます。
社務所が不在の場合もありますので、確実に御朱印をいただきたい方は、事前に電話で確認されることをおすすめします。
アクセス方法
電車でのアクセス
最寄駅と所要時間:
- 東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー駅」
- 徒歩約12分(約600m)
- 最も近い駅
- 都営浅草線「本所吾妻橋駅」
- 徒歩約7分
- 便利なアクセス
- 東武スカイツリーライン・東京メトロ半蔵門線・都営浅草線「押上(スカイツリー前)駅」
- 徒歩約15分
- 東武スカイツリーライン「曳舟駅」
- 徒歩約15分
バスでのアクセス
都営バス、墨田区内循環バス「すみだ百景すみまるくん」などが利用できます。最寄りのバス停は「向島二丁目」または「向島」です。
車でのアクセスと駐車場
三囲神社には専用の駐車場がありません。周辺にはコインパーキングがいくつかありますが、数が限られているため、公共交通機関の利用をおすすめします。
特に正月や例祭の時期は混雑が予想されますので、電車やバスでの参拝が便利です。
周辺の観光スポット
三囲神社の周辺には、墨田区ならではの観光スポットが点在しています。
東京スカイツリー
徒歩圏内にある東京スカイツリーは、世界一高い自立式電波塔として有名です。展望台からは関東平野を一望でき、晴れた日には富士山まで見渡せます。三囲神社参拝と合わせて訪れるのに最適です。
隅田川沿いの散策路
すぐ近くを流れる隅田川沿いには、桜並木が続く美しい散策路があります。春には桜の名所として多くの花見客で賑わいます。
向島百花園
江戸時代に造られた庭園で、四季折々の草花を楽しめる都立公園です。三囲神社から徒歩約10分の距離にあります。
隅田川七福神めぐりの他の寺社
三囲神社は隅田川七福神めぐりの一つです。他の札所も徒歩圏内にあるため、時間があれば七福神めぐりを完結させるのもおすすめです。
- 向島百花園(福禄寿)
- 長命寺(弁財天)
- 弘福寺(布袋尊)
- 白鬚神社(寿老神)
- 多聞寺(毘沙門天)
年中行事と例祭
例祭(4月上旬)
三囲神社の最も重要な祭礼が、毎年4月上旬に行われる例祭です。この日は特別な神事が執り行われ、普段より多くの参拝者が訪れます。
初詣(正月三が日)
正月には初詣の参拝者で賑わいます。特に隅田川七福神めぐりの一環として訪れる方が多く、元日から三が日は混雑が予想されます。
月次祭
毎月定期的に月次祭が行われており、氏子や崇敬者が参列します。
参拝のマナーと作法
基本的な参拝作法
- 鳥居をくぐる前に一礼
- 手水舎で清める
- 右手で柄杓を持ち、左手を清める
- 左手に持ち替えて右手を清める
- 再び右手に持ち替え、左手に水を受けて口をすすぐ
- 最後に柄杓を立てて柄を清める
- 拝殿前で参拝
- お賽銭を入れる
- 二礼二拍手一礼
- 境内の末社にも参拝
- 帰る際は鳥居で一礼
写真撮影について
境内での写真撮影は基本的に可能ですが、神事の最中や他の参拝者の迷惑にならないよう配慮しましょう。社殿内部の撮影は禁止されている場合がありますので、不明な点は社務所に確認してください。
三囲神社と三井グループの関係
三囲神社と三井グループの関係は、単なる信仰を超えた深い結びつきがあります。
日本橋三越本店の屋上神社
日本橋三越本店の屋上には、三囲神社の分社が祀られています。ここには高村光雲作の「活動大黒天」が安置されており、三越の守護神として大切にされています。
「活動大黒天」は、俵の上に立ち上がり、右足を踏み出して打出の小槌を振り上げる、まさに福徳を授けようとする活動的な姿が特徴です。慈悲深い表情と力強い姿勢が見事に表現された名作です。
三井家の守護社としての役割
江戸時代から現在に至るまで、三井家と三井グループ各社は三囲神社を守護社として崇敬し続けています。重要な節目や新年には、グループ関係者が参拝に訪れることも多いと言われています。
境内の奉納物の多くが三井関係者によるものであることからも、その信仰の厚さがうかがえます。
よくある質問(FAQ)
三囲神社の読み方は?
「みめぐりじんじゃ」と読みます。「三囲」を「みめぐり」と読むのは、白狐が神像の周囲を三度巡ったという由来に基づいています。
参拝にかかる時間はどのくらい?
境内はコンパクトなので、通常の参拝であれば15〜20分程度です。じっくりと石碑や文化財を見て回る場合は30分〜1時間程度を見込むとよいでしょう。
御朱印はいつでもいただけますか?
社務所が開いている時間帯(概ね9:00〜17:00頃)であればいただけますが、神事や行事の都合で不在の場合もあります。確実にいただきたい場合は事前に確認することをおすすめします。
ペットを連れての参拝は可能ですか?
小型犬などのペット同伴での参拝については、リードをつけ、他の参拝者に配慮すれば可能な場合が多いですが、神社によって方針が異なります。心配な場合は事前に確認しましょう。
車椅子でも参拝できますか?
境内は平坦な部分が多いですが、石畳や段差がある箇所もあります。介助者がいれば参拝は可能ですが、事前に社務所に相談されることをおすすめします。
まとめ
東京都墨田区向島に鎮座する三囲神社は、1200年近い歴史を持ち、三井家と三井グループの守護社として特別な位置づけにある神社です。主祭神の宇迦御魂之命を祀る稲荷社として商売繁盛のご利益があり、隅田川七福神の恵比寿・大国神も祀られています。
境内には珍しい三角石鳥居やライオン像、数多くの石碑など見どころが豊富で、参拝以外にも楽しめる要素が詰まっています。とうきょうスカイツリー駅や本所吾妻橋駅から徒歩でアクセスでき、東京スカイツリーや隅田川の散策と合わせて訪れるのに最適な立地です。
江戸の歴史と文化、そして現代の企業文化が交差する三囲神社は、東京観光の隠れた名所として、ぜひ訪れていただきたい神社です。
