専修寺

専修寺
住所 〒321-4511 栃木県真岡市高田1482
公式サイト https://www.honji-senjuji.jp/

専修寺完全ガイド:親鸞聖人ゆかりの本山と本寺の歴史・国宝建築・文化財を徹底解説

専修寺(せんじゅじ)は、浄土真宗の開祖・親鸞聖人が開いた真宗高田派の中心寺院です。全国に600以上の末寺を擁する真宗高田派には、三重県津市の「本山専修寺」と栃木県真岡市の「本寺専修寺」という二つの専修寺が存在し、それぞれが重要な歴史的・宗教的役割を担っています。本記事では、両寺院の歴史、国宝や重要文化財などの文化財、境内施設、アクセス情報まで、専修寺の全てを詳しく解説します。

専修寺とは:真宗高田派の本山寺院

専修寺は、浄土真宗10派のうちの一つである真宗高田派の本山寺院です。「専修寺」という名称は、浄土系宗派の根本的な実践である「専修念仏」(阿弥陀仏の名号を専ら称える念仏)に由来しています。

真宗高田派は親鸞聖人の直弟子である真仏上人を第二世とし、親鸞聖人の教えを忠実に継承してきた宗派です。現在、全国に600以上の寺院を擁し、主に東海地方、関東地方を中心に信仰を広めています。

本山専修寺と本寺専修寺の関係

専修寺には「本山専修寺」(三重県津市一身田町)と「本寺専修寺」(栃木県真岡市高田)の二つがあり、本山の住職が本寺の住職を兼任する体制をとっています。本寺専修寺は親鸞聖人が直接建立した唯一の寺院として、本山専修寺は真宗高田派の中心道場として、それぞれ異なる役割と歴史を持ちながら、一体として機能しています。

本寺専修寺:親鸞聖人が建立した唯一の寺院

本寺専修寺の歴史と建立の経緯

本寺専修寺は栃木県真岡市高田に位置し、親鸞聖人が直接建立した唯一の寺院として特別な意義を持っています。

元仁2年(1225年)、53歳の親鸞聖人は関東での布教活動の途上、この地で野宿をしていました。その夜、親鸞聖人は明星天子と称する童子から夢告を受け、この地に伽藍を建立することを決意したと伝えられています。この神秘的な体験が、本寺専修寺創建の契機となりました。

親鸞聖人は自らこの地に草庵を結び、念仏道場として整備しました。これが専修寺の起源であり、親鸞聖人が生涯をかけて浄土真宗を広める拠点の一つとなりました。

真仏上人と本寺専修寺の発展

親鸞聖人の没後、専修寺は親鸞聖人の直弟子である真仏上人(しんぶつしょうにん)によって大きく発展しました。真仏上人は二十四輩(親鸞聖人の主要な24人の弟子)の第二番とされ、親鸞聖人の教えを忠実に継承し、関東を中心に布教活動を展開しました。

真仏上人は本寺専修寺を真宗高田派の中心道場として整備し、多くの門弟を育成しました。この時代に本寺専修寺は「高田門徒」の精神的支柱として確立され、後の真宗高田派の基礎が築かれました。

本寺専修寺の文化財と見どころ

本寺専修寺には、親鸞聖人ゆかりの貴重な文化財が数多く保存されています。

御影堂は本寺専修寺の中心的な建物で、親鸞聖人の木像が安置されています。堂内では親鸞聖人を偲び、その教えを学ぶ法要や行事が営まれます。

阿弥陀如来像をはじめとする仏像、親鸞聖人直筆とされる書状、歴代上人ゆかりの品々など、多数の重要文化財が所蔵されており、真宗高田派の歴史を物語る貴重な資料となっています。

境内は静謐な雰囲気に包まれており、親鸞聖人が歩いた地を訪れることで、その教えに思いを馳せることができます。

本山専修寺:国宝建築を擁する真宗高田派の中心

本山専修寺の歴史:津市への移転と発展

本山専修寺は三重県津市一身田町に位置し、真宗高田派の本山寺院として機能しています。古くから「高田本山」の名で親しまれ、多くの参詣者を集めてきました。

本山専修寺の起源は、中世に遡ります。もともと本寺専修寺が真宗高田派の中心でしたが、戦国時代の動乱や宗教的な理由から、本山機能の一部が伊勢国(現在の三重県)に移されました。

永禄年間(1558-1570年)、第10世真慧上人の時代に、現在の津市一身田の地に本格的な伽藍が建立され、ここが真宗高田派の本山として整備されました。以来、本山専修寺は教学の中心、法要の中心として発展を続け、現在に至っています。

国宝建築:御影堂と如来堂

本山専修寺の最大の特徴は、2017年(平成29年)11月28日に国宝指定を受けた御影堂如来堂という二つの壮大な木造建築です。これらは三重県下初の国宝建造物であり、江戸時代の寺院建築の傑作として高く評価されています。

御影堂(みえいどう)

御影堂は寛文6年(1666年)に建立された、専修寺の中心的な建物です。開山である親鸞聖人の木像を中央須弥壇上に安置し、歴代上人の画像を両脇壇および両余間に敬置しています。

御影堂の規模は圧巻で、畳725枚が敷かれた広大な内陣を持ち、全国の国宝木造建築の中でも五番目の大きさを誇ります。東大寺大仏殿、三十三間堂、東本願寺御影堂、西本願寺御影堂に次ぐ規模であり、その壮大さは訪れる者を圧倒します。

建築様式は真宗寺院特有の「真宗様式」で、華麗な装飾と機能性を兼ね備えています。堂内の彫刻、金具、彩色など細部に至るまで江戸時代の優れた工芸技術が結集されており、建築史上も貴重な遺産となっています。

如来堂(にょらいどう)

如来堂は延宝7年(1679年)に建立され、本尊である阿弥陀如来を安置する本堂です。御影堂と並んで専修寺の中心的な建物であり、日々の勤行や法要が営まれる神聖な空間です。

如来堂も御影堂に劣らぬ壮大な規模を持ち、優美な屋根の曲線、精緻な木組み、荘厳な内陣装飾など、江戸時代の寺院建築の粋を集めた傑作です。阿弥陀如来を中心とした須弥壇の荘厳は、浄土真宗の教えを視覚的に表現した芸術作品といえます。

両堂は2017年の国宝指定により、その歴史的・芸術的価値が公式に認められ、日本の文化遺産として後世に守り伝えられることとなりました。

重要文化財と境内施設

本山専修寺には国宝の二堂のほかにも、多くの重要文化財と見どころがあります。

楼門(山門)

専修寺の正面入口に立つ楼門は、重厚な構えを持つ二階建ての門です。参詣者を迎える最初の建築物として、本山の威厳を示しています。楼門をくぐると、広大な境内が広がり、国宝の御影堂と如来堂が姿を現します。

太鼓門・唐門

境内には太鼓門唐門など、江戸時代に建立された歴史的な門が複数あり、それぞれが重要な建築遺産として保存されています。これらの門は境内の空間構成において重要な役割を果たしており、参詣路を荘厳に演出しています。

宝物館と文化財

本山専修寺には、親鸞聖人の直筆書状、歴代上人の肖像画、古文書、仏具、工芸品など、多数の重要文化財が所蔵されています。これらは宝物館で保管・展示されており、真宗高田派の歴史と文化を伝える貴重な資料となっています。

特に親鸞聖人直筆の書状は、聖人の肉筆に触れることができる貴重な遺品であり、その教えと人柄を今に伝えています。

雲幽園(うんゆうえん)

本山専修寺の境内には雲幽園という美しい庭園があります。四季折々の自然が楽しめる日本庭園で、参詣者の憩いの場となっています。静寂な庭園を散策することで、心を落ち着け、仏法に思いを馳せることができます。

宗務院と施設

宗務院は真宗高田派の宗務を統括する行政機関で、本山専修寺の境内に位置しています。全国の末寺との連絡調整、教学の研究、布教活動の企画など、宗派運営の中枢を担っています。

また、境内には研修施設、宿泊施設、食堂なども整備されており、参詣者や研修参加者が快適に過ごせる環境が整っています。

専修寺の年中行事と法要

専修寺では、年間を通じて様々な法要や行事が営まれています。

報恩講(ほうおんこう)

親鸞聖人の命日を偲ぶ最も重要な法要が報恩講です。毎年1月9日から16日にかけて本山専修寺で厳修され、全国から多くの門徒が参詣します。報恩講では、親鸞聖人の教えを学び、その恩徳に感謝する法要が連日営まれます。

春季・秋季彼岸会

春と秋の彼岸には、先祖供養の法要が営まれます。多くの参詣者が訪れ、亡き人々を偲び、浄土往生を願います。

降誕会(ごうたんえ)

親鸞聖人の誕生日を祝う法要で、毎年5月21日前後に営まれます。聖人の生涯と教えを讃え、その遺徳を偲びます。

安居(あんご)・仏教文化講座

本山専修寺では、僧侶の研修や一般信徒向けの仏教文化講座も定期的に開催されています。2026年3月13日から5月31日には「安居 ~仏教文化講座のはじまり~」が開催予定で、仏教の教えを深く学ぶ機会が提供されます。

専修寺へのアクセス情報

本山専修寺(三重県津市)へのアクセス

所在地: 三重県津市一身田町2819

電車でのアクセス:

  • JR紀勢本線・伊勢鉄道「一身田駅」下車、徒歩約5分
  • 近鉄名古屋線「津駅」下車、バスまたはタクシーで約10分

車でのアクセス:

  • 伊勢自動車道「津IC」から約15分
  • 専用駐車場あり(無料)

バスでのアクセス:

  • 津駅から三重交通バス「高田本山」行きで約15分、終点下車すぐ

本寺専修寺(栃木県真岡市)へのアクセス

所在地: 栃木県真岡市高田1482

電車でのアクセス:

  • 真岡鐵道「真岡駅」下車、タクシーで約10分
  • JR宇都宮線「石橋駅」からタクシーで約20分

車でのアクセス:

  • 北関東自動車道「真岡IC」から約15分
  • 駐車場あり

専修寺参拝の心得とマナー

専修寺を参拝する際は、以下の点に留意しましょう。

服装と態度

寺院は神聖な場所ですので、節度ある服装で訪れましょう。極端に露出の多い服装や派手な服装は避け、静粛に参拝することが大切です。

撮影について

境内の撮影は一般的に許可されていますが、堂内での撮影は禁止されている場合があります。必ず案内板の指示に従い、不明な点は寺務所に確認しましょう。

法要への参加

法要に参加する場合は、開始時刻に遅れないよう余裕を持って到着しましょう。法要中は私語を慎み、携帯電話の電源を切るなど、厳粛な雰囲気を保つよう心がけます。

お布施とお供え

参拝の際、お布施やお供えをする場合は、指定の場所に納めます。金額に決まりはありませんが、感謝の気持ちを込めて納めましょう。

専修寺の宗教的意義と教え

専修念仏の教え

専修寺の名の由来である「専修念仏」は、阿弥陀仏の名号「南無阿弥陀仏」を専ら称えることで、誰もが平等に救われるという浄土真宗の根本教義です。

親鸞聖人は、善人も悪人も、学のある者もない者も、すべての人が阿弥陀仏の本願によって救われると説きました。この「悪人正機」(悪人こそが阿弥陀仏の救いの対象である)という革新的な教えは、当時の仏教界に大きな衝撃を与えました。

真宗高田派の特徴

真宗高田派は、親鸞聖人の教えを忠実に継承しつつ、独自の発展を遂げてきました。特に「同朋意識」(すべての人が阿弥陀仏の前で平等な兄弟である)を重視し、民衆に開かれた宗派として歴史を刻んできました。

真宗高田派では、儀式や形式よりも、一人ひとりが親鸞聖人の教えを深く理解し、日常生活の中で実践することを重視しています。

専修寺周辺の観光スポット

本山専修寺周辺(津市)

一身田寺内町: 本山専修寺の周辺には、江戸時代の寺内町の面影を残す町並みが広がっています。環濠集落として発展した歴史的な町で、散策すると当時の雰囲気を感じることができます。

津城跡: 津市の中心部には、藤堂高虎が築いた津城の跡があります。現在は公園として整備され、石垣や堀が往時を偲ばせます。

御殿場海岸: 津市の海岸線には美しい砂浜が広がり、夏には海水浴客で賑わいます。専修寺参拝と合わせて訪れることができます。

本寺専修寺周辺(真岡市)

真岡木綿会館: 真岡市は江戸時代から木綿の産地として知られており、真岡木綿の歴史と技術を学べる施設があります。

真岡鐵道: SLが走ることで有名な真岡鐵道は、鉄道ファンに人気のローカル線です。週末を中心にSLが運行され、懐かしい汽笛の音を楽しめます。

まとめ:専修寺の魅力と訪れる価値

専修寺は、親鸞聖人が開いた真宗高田派の本山・本寺として、800年近い歴史を持つ貴重な寺院です。本山専修寺の国宝建築である御影堂と如来堂は、日本の木造建築の傑作として必見の価値があり、本寺専修寺は親鸞聖人が直接建立した唯一の寺院として特別な意義を持っています。

境内に足を踏み入れると、長い歴史の中で培われてきた信仰の厚みと、親鸞聖人の教えが今なお息づいていることを実感できます。国宝や重要文化財などの文化財は、単なる歴史的遺産ではなく、今も生きた信仰の場として機能している点が専修寺の大きな魅力です。

真宗高田派の教えである専修念仏は、現代を生きる私たちにも深い示唆を与えてくれます。誰もが平等に救われるという親鸞聖人の教えは、複雑化する現代社会において、人間の本質的な平等と尊厳を思い起こさせてくれます。

三重県津市の本山専修寺、栃木県真岡市の本寺専修寺、それぞれが異なる魅力を持ち、訪れる価値のある寺院です。歴史や建築に興味がある方はもちろん、静寂な空間で心を落ち着けたい方、日本の宗教文化を学びたい方にとって、専修寺は理想的な訪問先となるでしょう。

ぜひ一度、専修寺を訪れ、親鸞聖人の足跡をたどり、その教えに触れてみてください。国宝建築の壮大さに圧倒され、静謐な境内で心を清め、日本の精神文化の深さを体感できることでしょう。

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