玉津島神社(和歌山県・和歌山市)

玉津島神社(和歌山県・和歌山市)
住所 〒641-0025 和歌山県和歌山市和歌浦中3丁目4−26 玉津島神社
公式サイト https://tamatsushimajinja.jp/

玉津島神社(和歌山県・和歌山市)完全ガイド|和歌の聖地の歴史・御祭神・見どころ徹底解説

和歌山県和歌山市和歌浦中に鎮座する玉津島神社(たまつしまじんじゃ)は、万葉の時代から「和歌の聖地」として知られる古社です。絶世の美女と伝わる衣通姫尊(そとおりひめのみこと)を御祭神とし、住吉明神、北野天満宮とともに「和歌三神」の一柱として、古来より多くの歌人や天皇の崇敬を集めてきました。

本記事では、玉津島神社の歴史、御祭神、境内の見どころ、アクセス方法まで、この由緒ある神社の魅力を徹底的に解説します。

玉津島神社とは

玉津島神社は、和歌山県和歌山市和歌浦中3-4-26に位置する神社で、国史見在社として歴史に名を残す古社です。旧社格は村社で、「玉津嶋神社」とも表記されます。

古来「玉津島明神」と称され、和歌の神様として絶大な信仰を集めてきました。境内を含む周辺地域は「和歌の浦」として国の名勝に指定されており、2017年(平成29年)には日本遺産にも認定されています。

玉津島一帯は「玉出島」とも呼ばれ、古代には島山が玉のように海中に点在していた風光明媚な景観を誇っていました。山部赤人が神亀元年(724年)に詠んだ長歌「神代より然ぞ貴き玉津島山」の一節からも、この地が神聖な場所として崇められていたことがわかります。

御祭神|三柱の女神と明光浦霊

玉津島神社には、三柱の女神と一柱の霊神が祀られています。

主祭神

稚日女尊(わかひるめのみこと)
天照大神の幼名、または妹神とされる女神です。若々しさと清らかさを象徴する神として崇敬されています。

息長足姫尊(おきながたらしひめのみこと)
神功皇后のことで、三韓征伐の伝説で知られる勇猛な女性です。安産や子育ての神としても信仰を集めています。

衣通姫尊(そとおりひめのみこと)
その美しさが衣を通して輝いたという伝説を持つ絶世の美女で、和歌の才能にも優れていたとされます。平安時代以降、和歌の神様として特に篤い信仰を受けるようになりました。

配祀神

明光浦霊(あかのうらのみたま)
和歌の浦の地霊で、この地の風光明媚な景観そのものを神格化した存在です。

これら四柱の神々が、玉津島神社を「和歌の聖地」たらしめる神聖な力の源となっています。

歴史|万葉の時代から続く和歌の聖地

創建と古代

玉津島神社の創建は極めて古く、社伝によれば上古の世より玉津島の神が鎮座していたとされます。正確な創建年代は不明ですが、奈良時代にはすでに重要な聖地として認識されていました。

神亀元年(724年)、聖武天皇が玉津島に行幸した際、随行していた宮廷歌人の山部赤人が玉津島神社を詠んだ長歌を万葉集に残しています。この歌は玉津島神社の歴史を語る上で欠かせない重要な文化遺産となっています。

平安時代以降の発展

平安時代に入ると、和歌文化の隆盛とともに玉津島神社の名声はさらに高まりました。貴族や歌人たちが次々と参詣し、和歌を奉納するようになります。

後桜町天皇の御代(1767年)には、近衛家から豪華な御神輿が奉納されるなど、皇室や公家からの崇敬も厚いものでした。この御神輿は現在も神社に保管され、公開されています。

近現代

明治時代の社格制度では村社に列せられましたが、その歴史的・文化的価値の高さから、地域を代表する神社として現在まで信仰を集め続けています。

2010年(平成22年)には国指定名勝「和歌の浦」の一部として認定され、2017年(平成29年)には日本遺産に指定されるなど、その価値が改めて評価されています。

2024年には聖武天皇玉津島行幸1300年を迎え、記念事業が実施されました。

境内の見どころ

玉津島神社の境内には、歴史と文化を感じさせる数々の見どころがあります。

奠供山(てんぐやま)

境内背後にそびえる奠供山は、玉津島神社を訪れたら必ず登りたい絶景スポットです。標高は低いものの、山頂からは和歌の浦の美しい景観を一望できます。

聖武天皇もこの山から和歌の浦の景色を眺めたと伝えられており、万葉の時代から変わらぬ風光明媚な情景を楽しむことができます。山頂には小さな祠があり、神聖な雰囲気が漂います。

万葉歌碑

境内には、山部赤人が神亀元年(724年)に聖武天皇の行幸に際して詠んだ万葉歌を刻んだ歌碑が建立されています。この歌碑は、玉津島神社が万葉の時代から歌枕として重要視されてきた証です。

また、松尾芭蕉をはじめとする後世の歌人や俳人が詠んだ和歌・俳句の歌碑も複数設置されており、文学散策を楽しむことができます。

小野小町袖掛塀

鳥居のそばには、平安時代の美女歌人として知られる小野小町が参拝の際に着物の袖をかけたと伝わる赤い塀があります。「小野小町袖掛塀」と呼ばれるこの遺構は、小野小町と玉津島神社の深い縁を物語る貴重な史跡です。

根上り松(鶴松)

境内にある「根上り松」は、その独特な形状から「鶴松」とも呼ばれ、和歌山県の天然記念物に指定されています。地上に露出した根が複雑に絡み合う姿は、長い年月を経た松の生命力を感じさせます。

縁起の良い松として参拝者に親しまれており、写真撮影スポットとしても人気です。

衣通の姫桜

春になると、御祭神である衣通姫尊にちなんで名付けられた「衣通の姫桜」が境内を彩ります。優雅に咲き誇る桜は、絶世の美女と謳われた衣通姫尊の美しさを彷彿とさせます。

三十六歌仙の絵馬

社殿には、平安時代の藤原公任が選んだ三十六歌仙の絵馬が飾られています。和歌の神様を祀る神社にふさわしい文化的展示として、参拝者の目を楽しませています。

鹽竈神社(しおがまじんじゃ)

玉津島神社の境内には、安産・子授けの神として篤い信仰を集める鹽竈神社も鎮座しています。安産祈願や子宝祈願に訪れる参拝者も多く、玉津島神社と合わせて参拝するのが一般的です。

祭祀・年中行事

玉津島神社では、年間を通じてさまざまな祭祀が執り行われています。

浜降り神事

毎年9月16日に行われる「浜降り神事」は、玉津島神社の最も重要な祭礼です。かつらぎ町天野の丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)から神輿が紀の川を下って和歌の浦に渡御する壮大な神事で、古くから続く伝統行事として知られています。

この神事は、紀伊国の神々の交流を示す重要な宗教行事であり、多くの見物客で賑わいます。

和歌祭との関連

玉津島神社は、和歌山市を代表する祭礼「和歌祭」とも深い関わりがあります。和歌祭は紀州東照宮の例大祭ですが、和歌の浦一帯の神社も関連する行事を行い、地域全体が祭りの雰囲気に包まれます。

通常の参拝・御祈祷

拝観時間: 9:00〜17:00
御祈祷受付: 10:00〜16:00

和歌上達祈願、文芸向上祈願をはじめ、安産祈願(鹽竈神社)、家内安全、商売繁盛など、各種御祈祷を受け付けています。

文化財・指定

玉津島神社とその周辺は、数々の文化財指定を受けています。

国指定名勝「和歌の浦」

2010年(平成22年)、玉津島神社を含む和歌の浦一帯が国の名勝に指定されました。万葉の時代から歌枕として詠われてきた景観の価値が認められたものです。

日本遺産認定

2017年(平成29年)、「絶景の宝庫 和歌の浦」として日本遺産に認定されました。玉津島神社は、この日本遺産のストーリーを構成する中核的な文化財となっています。

天然記念物

境内の根上り松(鶴松)は、和歌山県の天然記念物に指定されています。

御神輿

後桜町天皇の御代(1767年)に近衛家から奉納された御神輿は、江戸時代の工芸技術を伝える貴重な文化財として保存され、定期的に公開されています。

交通アクセス

玉津島神社へのアクセス方法をご案内します。

電車でのアクセス

JR和歌山駅から
JR和歌山駅または南海和歌山市駅から和歌山バス「新和歌浦行き」または「雑賀崎行き」に乗車し、「不老橋」バス停下車、徒歩約5分。

南海和歌山市駅から
南海和歌山市駅から和歌山バス「新和歌浦行き」または「雑賀崎行き」に乗車し、「不老橋」バス停下車、徒歩約5分。

バスの所要時間は和歌山駅から約25分、和歌山市駅から約15分です。

車でのアクセス

阪和自動車道「和歌山IC」から国道42号線経由で約20分。

境内に参拝者用の駐車場があります(無料)。ただし、祭礼時など混雑が予想される日は、周辺の有料駐車場の利用も検討してください。

住所

〒641-0025
和歌山県和歌山市和歌浦中3-4-26

周辺の観光スポット

玉津島神社を訪れたら、合わせて巡りたい周辺の観光スポットをご紹介します。

不老橋

玉津島神社の近くにある朱塗りの美しいアーチ橋。江戸時代に紀州藩主の母が長寿を願って架けたとされ、和歌の浦のシンボル的存在です。

紀州東照宮

徳川家康を祀る東照宮で、豪華絢爛な社殿が見どころ。長い石段を登った先には、紀州の歴史を感じさせる荘厳な空間が広がります。

和歌浦天満宮

学問の神様・菅原道真を祀る天満宮。本殿は国の重要文化財に指定されており、楼門から望む和歌の浦の景色も絶景です。

片男波海水浴場

環境省選定「快水浴場百選」に選ばれた美しい海水浴場。夏は海水浴、それ以外の季節は散策を楽しめます。

和歌山マリーナシティ

テーマパーク「ポルトヨーロッパ」や海鮮市場「黒潮市場」などがある複合リゾート施設。家族連れにおすすめです。

玉津島神社の魅力まとめ

玉津島神社は、単なる観光地ではなく、日本の和歌文化の歴史を今に伝える「生きた文化遺産」です。

万葉の時代から数えて1300年以上にわたり、和歌の神様として多くの歌人や天皇の崇敬を集めてきたこの神社は、訪れる人々に日本文学の深い伝統と、和歌の浦の美しい景観という二つの宝を提供してくれます。

境内から眺める和歌の浦の景色は、聖武天皇や山部赤人が見た景観と本質的に変わらぬ美しさを保っており、時空を超えた感動を味わうことができます。

和歌や日本文学に興味がある方はもちろん、歴史や自然の美しさを愛する全ての方に、玉津島神社への参拝をおすすめします。奠供山からの絶景、万葉歌碑の荘厳さ、そして和歌の神様の静謐な気配が、訪れる人の心に深い印象を残すことでしょう。

和歌山を訪れる際は、ぜひ「和歌の聖地」玉津島神社に足を運び、日本文化の精髄に触れる貴重な体験をしてみてください。

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