須賀神社完全ガイド|四谷総鎮守の歴史・御祭神・御利益から参拝方法まで徹底解説
須賀神社は、東京都新宿区須賀町に鎮座する、江戸時代から四谷十八ヵ町の総鎮守として崇敬を集めてきた歴史ある神社です。近年では映画「君の名は。」の舞台として若い世代にも広く知られるようになりました。本記事では、須賀神社の歴史、御祭神、御利益、年中行事、参拝方法まで、須賀神社のすべてを詳しくご紹介します。
須賀神社とは
須賀神社は、江戸初期より四谷の地に鎮座する神社で、四谷十八ヵ町の総鎮守として地域の人々に親しまれてきました。社名の「須賀」は、須佐之男命が出雲の国の簸の川上で八俣の大蛇を討ち平らげた後、「吾れ此の地に来たりて心須賀、須賀し(すがすがし)」と宣り給い、宮居を占め給いし故事に基づいて名付けられました。
江戸時代には「四谷天王社」として知られ、毎年六月に行われる御祭礼は「四谷の天王祭り」として江戸の五大祭りの一つに数えられるほど盛大なものでした。明治元年に須賀神社と改称され、明治五年には郷社に昇格しています。
須賀神社の歴史
創建から江戸時代まで
須賀神社の起源は寛永年間に遡ります。寛永十一年(1634年)、現在の地に稲荷神社として創建されたのが始まりとされています。その後、寛永二十年(1644年)に須佐之男命を合祀し、稲荷天王合社と称するようになりました。
この須佐之男命の鎮座には興味深い経緯があります。寛永十四年の島原の乱において、日本橋大伝馬町の大名主・馬込勘由という人物が幕府の命により兵站伝馬の御用を勤め、その功績によって現在の四谷の中心一円の地を拝領しました。これを機会に、神田明神社内に祀られていた日本橋伝馬町の守護神(須佐之男命)を、地元民の総発意により四谷に合祀したのです。
四谷十八ヵ町の総鎮守として
江戸時代を通じて、須賀神社は四谷十八ヵ町の総鎮守として地域の信仰を集めました。「御両社」とも呼ばれ、特に災難除けの神として神徳が高く、氏子の尊崇の念も非常に厚いものでした。
毎年六月に行われる天王祭りは、江戸の五大祭りの一つとして広く知られ、四谷の街全体が祭りの熱気に包まれました。この祭礼は現在も形を変えながら継承されています。
明治以降から現代へ
明治元年(1868年)、神仏分離令により須賀神社と改称されました。明治五年には郷社に昇格し、地域の中心的な神社としての地位を確立します。戦後は制度の改正により旧社格は撤廃されましたが、四谷の総鎮守としての役割は変わることなく現在に至っています。
近年では、2016年公開の映画「君の名は。」に登場する階段のモデルとして注目を集め、国内外から多くの参拝者が訪れるようになりました。伝統と現代文化が融合する神社として、新たな魅力を発信し続けています。
御祭神と御神徳
主祭神
須賀神社の主祭神は以下の二柱です。
須佐之男命(すさのおのみこと)
須賀大神とも称される、日本神話における英雄神です。八俣の大蛇を退治した神話で知られ、厄除け、災難除け、疫病退散の神として崇敬されています。
宇迦能御魂命(うかのみたまのみこと)
稲荷大神とも称される、五穀豊穣、商売繁昌の神です。須賀神社が元々稲荷神社として創建されたことに由来します。
配祀神
主祭神の左右には以下の神々が祀られています。
五男神(いつはしらのおのかみ)
- 天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)
- 天穂日命(あめのほひのみこと)
- 天津彦根命(あまつひこねのみこと)
- 熊野樟日命(くまのくすひのみこと)
- 活津彦根命(いくつひこねのみこと)
宗像三女神(むなかたさんじょしん)
- 多紀理姫命(たきりひめのみこと)
- 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
- 多岐都姫命(たきつひめのみこと)
御神徳(御利益)
須賀神社では、以下のような御神徳があるとされています。
- 厄除け・災難除け:須佐之男命の神威による厄払い
- 疫病退散・病気平癒:古来より天王様として疫病除けの信仰
- 家内安全・家運隆昌:家族の安全と繁栄
- 商売繁昌:稲荷大神の御神徳
- 五穀豊穣:農業・生業の繁栄
- 縁結び・良縁成就:幸縁祈願として
- 安産祈願・子授け:戌の日の安産祈願で有名
須賀神社の見どころ
社殿と境内
須賀神社の社殿は、戦災により焼失した後、昭和期に再建されたものです。木造の温かみのある社殿は、都心にありながら静謐な雰囲気を保っています。境内は決して広くはありませんが、手入れの行き届いた清々しい空間となっています。
三十六歌仙絵
社殿内には、天保七年(1836年)に奉納された三十六歌仙絵が掲げられています。これは大岡雲峰の絵と千種有功の書によるもので、江戸時代の文化を今に伝える貴重な文化財です。通常は非公開ですが、特別な機会に拝観できることがあります。
「君の名は。」の階段
神社の東側、男坂と呼ばれる急な石段は、映画「君の名は。」のクライマックスシーンに登場する階段のモデルとして知られています。映画公開後は「聖地巡礼」として多くのファンが訪れる人気スポットとなりました。階段の上から見下ろす景色は、映画の世界観を感じられる場所として親しまれています。
授与所とお守り
須賀神社では様々なお守りや御朱印を授与しています。特に人気なのが「一陽来福守」で、冬至から節分までの期間限定で授与される縁起物です。このお守りは、陰の気が極まり陽の気が兆す冬至の日から、新しい春を迎える節分までの間に授与されるもので、家内安全、商売繁昌の御利益があるとされています。
御祈願・祈祷について
主な御祈願の種類
須賀神社では、以下のような御祈願を受け付けています。
厄除け・方位除け
人生の節目となる厄年の厄払い、引っ越しや旅行の際の方位除け、八方塞がりの際の八方除けなど、災難を祓い清める祈願です。
戌の日・安産祈願
妊娠五ヶ月目の戌の日に行う安産祈願は、須賀神社の代表的な御祈願の一つです。戌(犬)は安産の象徴とされ、母子ともに健康で無事に出産できるよう祈願します。
初宮参り(お宮参り)
赤ちゃんの誕生を神様に報告し、健やかな成長を祈願する儀式です。男の子は生後31日目、女の子は32日目が目安とされています。
七五三
三歳、五歳、七歳の節目に、子どもの成長を祝い、今後の健康と幸福を祈願します。
その他の御祈願
- 家内安全
- 商売繁昌
- 身体健全
- 病気平癒
- 交通安全
- 合格祈願
- 幸縁祈願(良縁成就)
- 心願成就
御祈願の受付と予約
御祈願の受付時間は通常、午前9時から午後4時までです。予約制となっている場合もあるため、特に戌の日や七五三のシーズンなど混雑が予想される時期は、事前に神社に問い合わせることをお勧めします。
初穂料(祈祷料)は祈願の内容によって異なりますので、詳細は神社の公式サイトまたは直接お問い合わせください。
年中行事
須賀神社では、一年を通じて様々な祭事・神事が執り行われています。
主な年中行事
1月
- 元旦祭(1月1日):新年を迎え、一年の平安を祈る祭事
- 初詣:多くの参拝者で賑わいます
2月
- 節分祭(2月3日頃):豆まきを行い、厄を祓い福を招く
- 一陽来福守授与終了
6月
- 例大祭(天王祭):須賀神社最大の祭礼。かつては江戸の五大祭りの一つとして盛大に行われました
11月
- 七五三:子どもの成長を祝う時期
12月
- 冬至:一陽来福守の授与開始
- 大祓(12月31日):一年の穢れを祓い清める神事
これらの他にも、月次祭など定期的な祭事が執り行われています。詳細な日程は神社の公式サイトや掲示板で確認できます。
参拝方法と作法
基本的な参拝作法
神社での正しい参拝作法を知っておくことで、より心を込めた参拝ができます。
1. 鳥居をくぐる前に一礼
鳥居は神域への入口です。一礼してからくぐりましょう。
2. 手水舎で清める
- 右手で柄杓を持ち、左手を清める
- 左手に持ち替えて、右手を清める
- 再び右手に持ち替え、左手に水を受けて口をすすぐ
- 左手を再度清める
- 柄杓を立てて柄に水を流し、元の位置に戻す
3. 拝殿での参拝(二礼二拍手一礼)
- 賽銭を静かに入れる
- 鈴があれば鳴らす
- 二回深く礼をする
- 二回拍手する
- 心を込めて祈る
- 最後に一回深く礼をする
4. 退出時
鳥居を出た後、振り返って一礼します。
御朱印について
須賀神社では御朱印を授与しています。授与所にて御朱印帳を預け、参拝後に受け取る形が一般的です。初穂料は通常300円から500円程度です。
映画「君の名は。」関連の特別な御朱印が授与されることもありますので、詳細は神社にお問い合わせください。
アクセス・交通案内
所在地
〒160-0018 東京都新宿区須賀町5番地
電車でのアクセス
最寄り駅
- 東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目駅」より徒歩約7分
- JR中央線・総武線「信濃町駅」より徒歩約10分
- JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線・南北線「四ツ谷駅」より徒歩約12分
四谷三丁目駅からが最も近く便利です。駅を出て新宿通りを新宿方面に進み、須賀町交差点を左折すると須賀神社に到着します。
バスでのアクセス
都営バス「四谷三丁目」停留所より徒歩約5分
車でのアクセス
首都高速4号新宿線「外苑出口」より約10分
駐車場
境内に専用駐車場はありませんので、近隣のコインパーキングをご利用ください。初詣や例大祭など混雑時は、公共交通機関の利用をお勧めします。
周辺の観光スポット
須賀神社の周辺には、以下のような観光スポットがあります。
- 新宿御苑:徒歩約15分の距離にある広大な庭園
- 迎賓館赤坂離宮:徒歩約20分、国宝に指定された美しい洋館
- 明治神宮外苑:イチョウ並木で有名なスポット
須賀神社に関するよくある質問
参拝時間について
境内への立ち入りは基本的に24時間可能ですが、授与所や社務所の開所時間は通常午前9時から午後5時頃までです。御祈願や御朱印を希望される場合は、この時間内に参拝することをお勧めします。
初詣の混雑状況
元旦から三が日は多くの参拝者で賑わいます。特に元旦の午前中と夕方は混雑しますので、時間に余裕を持って参拝することをお勧めします。三が日を過ぎると比較的落ち着いて参拝できます。
写真撮影について
境内での写真撮影は基本的に可能ですが、社殿内や祭事中の撮影は制限される場合があります。また、他の参拝者の迷惑にならないよう配慮し、三脚の使用などは事前に確認することをお勧めします。
「君の名は。」の階段での撮影も人気ですが、階段は地域の生活道路でもあるため、通行の妨げにならないよう注意が必要です。
全国の須賀神社・素鵞神社
須賀神社(すがじんじゃ)、あるいは素鵞神社(すがじんじゃ、そがじんじゃ)は、牛頭天王・須佐之男命を祭神とする祇園信仰の神社で、日本全国に存在します。「すが」は「須我」「清」「酒賀」などとも表記され、島根県や高知県に特に多く見られます。
他に祇園信仰に基づく神社名称としては、八坂神社(八阪神社、弥栄神社)、祇園神社、広峯神社、天王神社、八雲神社、素盞嗚神社などがあり、時代や資料によって呼称が異なります。
主な須賀神社
- 須賀神社(東京都新宿区):本記事で紹介している四谷の総鎮守
- 須賀神社(東京都台東区):推古天皇九年(600年)創建とされる古社
- 須賀神社(栃木県小山市):天慶三年(940年)創建、藤原秀郷ゆかりの神社
- 須我神社(島根県雲南市):須佐之男命が「吾が心すがすがし」と言った地とされる
それぞれの須賀神社には独自の歴史と特色があり、地域の信仰の中心として親しまれています。
まとめ
須賀神社は、江戸時代から四谷十八ヵ町の総鎮守として地域に根ざし、厄除け・災難除けの神として崇敬を集めてきた歴史ある神社です。須佐之男命と宇迦能御魂命を主祭神とし、家内安全、商売繁昌、安産祈願など様々な御神徳があります。
近年では映画「君の名は。」の聖地としても知られ、伝統と現代文化が融合する神社として、幅広い世代から親しまれています。都心にありながら静謐な雰囲気を保つ境内は、日常の喧騒を離れて心を落ち着ける場所として、多くの人々に癒しを提供しています。
四谷三丁目駅から徒歩圏内とアクセスも良好で、初詣、厄払い、安産祈願、七五三など人生の節目の参拝先として、また日々の感謝を伝える場所として、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
四谷の街とともに歩んできた須賀神社は、これからも地域の人々の心の拠り所として、また訪れる人々に御神徳を授ける場所として、その役割を果たし続けることでしょう。
