鷲神社(東京都台東区)

住所 〒111-0031 東京都台東区千束3丁目18−7
公式サイト http://www.otorisama.or.jp/

鷲神社(東京都台東区)完全ガイド|酉の市発祥の地「おとりさま」の歴史・御祭神・アクセス情報

東京都台東区千束に鎮座する鷲神社(おおとりじんじゃ)は、「おとりさま」の愛称で親しまれ、毎年11月の酉の市で全国から多くの参拝者を集める江戸下町を代表する神社です。開運、商売繁昌、出世、家運隆昌などのご利益があるとされ、浅草名所七福神の一つとして寿老人もお祀りしています。本記事では、鷲神社の歴史、御祭神、境内の見どころ、アクセス方法まで詳しくご紹介します。

鷲神社の概要と基本情報

鷲神社は東京都台東区千束3丁目18番7号に所在する神社で、正式名称は「鷲神社(おおとりじんじゃ)」ですが、地元では「おとりさま」という親しみやすい呼び名で広く知られています。朱塗りの大鳥居が印象的な社殿は、江戸の風情を今に伝える貴重な文化財として、地域住民だけでなく観光客からも愛されています。

所在地と基本データ

正式名称: 鷲神社(おおとりじんじゃ)
所在地: 東京都台東区千束3丁目18番7号
郵便番号: 〒111-0031
電話番号: 03-3876-1515
社格: 旧村社
例祭日: 11月酉の日(酉の市)
公式サイト: https://otorisama.or.jp/

台東区千束は、かつて浅草田圃と呼ばれた地域で、江戸時代から続く歴史ある町です。現在でも下町情緒が色濃く残り、鷲神社はこの地域の精神的な中心として機能しています。

御祭神と神徳

鷲神社には二柱の御祭神がお祀りされており、それぞれが異なる由緒と神徳を持っています。

天日鷲命(あめのひわしのみこと)

天日鷲命は、日本神話に登場する神様で、天照大御神が天岩戸に隠れた際、岩戸の前で神楽を奏でた際に使われた弦楽器の弦を作った神として知られています。また、阿波国(現在の徳島県)の忌部氏の祖神とされ、開拓・産業発展の神として信仰されてきました。

天日鷲命は特に織物や紡績業の守護神として崇敬され、産業振興、技術向上、商売繁昌のご利益があるとされています。鷲という名前の由来については諸説ありますが、天日鷲命が鷲の羽を使って神事を行ったという伝承が有力です。

日本武尊(やまとたけるのみこと)

日本武尊は、第12代景行天皇の皇子で、日本神話における代表的な英雄神です。東征の帰途、この地で戦勝を祈願し、見事に勝利を収めたという伝承があります。

伝説によれば、日本武尊が東夷征討の際、当地で戦勝祈願を行い、帰還の折に再び訪れて感謝の祭祀を執り行ったとされています。この故事から、鷲神社は戦勝祈願、開運招福、立身出世の神として信仰を集めるようになりました。

寿老人(浅草名所七福神)

鷲神社は浅草名所七福神の一つとして、寿老人もお祀りしています。寿老人は長寿と幸福の神として知られ、健康長寿、家内安全のご利益があるとされています。浅草名所七福神巡りは、正月を中心に多くの参拝者が訪れる人気の巡礼コースとなっています。

主なご利益

鷲神社で授かることができる主なご利益は以下の通りです:

  • 開運招福: 全般的な運気上昇
  • 商売繁昌: 事業の発展と繁栄
  • 家運隆昌: 家族の繁栄と発展
  • 出世開運: 仕事での成功と昇進
  • 子育て守護: 子どもの健やかな成長
  • 厄除開運: 災厄を払い福を招く
  • 健康長寿: 寿老人による長寿のご利益

鷲神社の歴史

鷲神社の創建については複数の説がありますが、最も古い記録では天日鷲命を祀る神社として、古くからこの地に鎮座していたとされています。

創建と古代の歴史

鷲神社の起源は古く、一説には日本武尊の東征時代まで遡るとされています。日本武尊が東夷征討の際、当地で戦勝を祈願し、無事に帰還できたことから、この地に社を建てて感謝の祭祀を行ったという伝承が残されています。

また別の伝承では、天日鷲命を祖神とする阿波忌部氏の一族がこの地に移住し、祖神を祀ったことが始まりとも言われています。いずれにしても、古代からこの地域の信仰の中心として存在していたことは確かです。

江戸時代の発展

江戸時代に入ると、鷲神社は大きく発展を遂げます。特に江戸時代中期以降、酉の市が庶民の間で大流行し、鷲神社は「酉の市発祥の地」として広く知られるようになりました。

当時、鷲神社の隣接地には長国寺という日蓮宗の寺院があり、神仏習合の時代には両者が一体となって酉の市を開催していました。江戸の町人たちは「おとりさま」と親しみを込めて呼び、開運招福、商売繁昌を願って酉の市に集まりました。

江戸時代の記録によれば、酉の市の期間中は周辺の道路が参詣者で埋め尽くされ、熊手を売る露店や飲食の屋台が軒を連ね、江戸有数の賑わいを見せたと伝えられています。

明治以降の変遷

明治時代に入ると、神仏分離令により鷲神社と長国寺は分離されました。しかし、酉の市については両者が協力して開催を続け、現在でも共同で「浅草酉の市」を執り行っています。

明治維新後の社格制度では村社に列せられ、地域の鎮守として崇敬を集め続けました。大正、昭和と時代が移り変わる中でも、鷲神社は台東区千束の地域住民の精神的支柱として、また酉の市の中心として重要な役割を果たし続けています。

戦後の復興期には、境内の整備が進められ、現在見られる朱塗りの社殿や大鳥居が整えられました。平成、令和と時代が進んだ現在でも、伝統を守りながら新しい時代のニーズにも応える神社として、多くの参拝者を迎えています。

酉の市(とりのいち)について

鷲神社を語る上で欠かせないのが、毎年11月に開催される「酉の市」です。鷲神社は酉の市の起源発祥の地として知られ、現在でも日本最大規模の酉の市が開催されています。

酉の市の由来と歴史

酉の市は、11月の酉の日に行われる例祭で、開運招福・商売繁昌を願う祭りです。「酉」は十二支の一つで、毎年11月には必ず1回から3回の酉の日があります。最初の酉の日を「一の酉」、次を「二の酉」、3回目がある年は「三の酉」と呼びます。

酉の市の起源については諸説ありますが、最も有力なのは日本武尊の故事に由来するという説です。日本武尊が東征からの帰途、鷲神社で戦勝の御礼参りをしたのが11月の酉の日だったことから、この日を例祭日としたと伝えられています。

江戸時代には、農民が収穫を終えた後に酉の日に集まり、鶏を奉納して五穀豊穣を感謝する風習がありました。これが次第に都市部の商人たちにも広がり、商売繁昌を願う市へと発展していきました。

熊手の由来と意味

酉の市の名物といえば「熊手」です。熊手は「福をかき集める」「金銀をかき集める」という縁起物として、江戸時代から商売人に人気がありました。

当初は農具の熊手に稲穂などを飾った素朴なものでしたが、時代とともに装飾が豪華になり、現在では七福神や宝船、鯛、小判など、さまざまな縁起物が飾られた華やかな熊手が販売されています。

熊手を購入する際の「値切り」も酉の市の名物です。値切って安く買うことで「さらに福を呼び込む」とされ、売り手と買い手が威勢よく掛け合いをする光景は、酉の市の風物詩となっています。ただし、値切った後は値切り分を「ご祝儀」として渡すのが粋な作法とされています。

現代の酉の市

現在の浅草酉の市は、鷲神社と長国寺が共同で開催し、毎年70万人から80万人もの人出で賑わう東京の秋の風物詩となっています。期間中は境内と周辺に約150軒もの露店が立ち並び、熊手店のほか、飲食店や縁起物を売る店が軒を連ねます。

午前0時の一番太鼓を合図に市が始まり、深夜から早朝にかけても多くの参拝者が訪れます。特に「一の酉」は最も混雑し、終日にわたって境内は人で埋め尽くされます。

近年では、外国人観光客も増加しており、日本の伝統的な祭りとして国際的にも注目を集めています。

境内の見どころ

鷲神社の境内には、歴史を感じさせる建造物や見どころが数多くあります。

大鳥居

鷲神社のシンボルとも言える朱塗りの大鳥居は、千束の街並みの中でひときわ目を引く存在です。鮮やかな朱色は魔除けの意味があり、参拝者を神域へと導きます。酉の市の期間中は、この大鳥居をくぐって境内に入る参拝者の長い列ができます。

社殿

現在の社殿は戦後に再建されたもので、伝統的な神社建築の様式を守りながら、荘厳な雰囲気を醸し出しています。朱塗りの社殿は定期的に修繕が行われ、美しい状態が保たれています。

社殿の彫刻や装飾には、鷲や鳳凰など縁起の良い図柄が施されており、江戸の職人技術の粋を見ることができます。

手水舎

参拝前に身を清める手水舎も、伝統的な造りとなっています。酉の市の期間中は特に多くの参拝者が利用するため、複数の柄杓が用意されています。

撫で鷲(なでわし)

境内には「撫で鷲」と呼ばれる鷲の像があります。この鷲を撫でることで、身体の悪い部分が治る、開運のご利益があるとされ、多くの参拝者が列を作ります。特に頭を撫でると知恵が授かる、羽を撫でると飛躍できるなど、撫でる場所によって異なるご利益があるとも言われています。

寿老人像

浅草名所七福神の一つである寿老人の像も境内に安置されています。長い白髭と杖を持った姿は、長寿と幸福の象徴として親しまれています。七福神巡りの参拝者は、ここで御朱印をいただくことができます。

境内社

鷲神社の境内には、いくつかの境内社(摂社・末社)も祀られています。それぞれが異なる神様を祀り、様々なご利益があるとされています。

アクセス方法

鷲神社へのアクセスは、複数の路線から可能で、都心からも比較的アクセスしやすい立地にあります。

鉄道でのアクセス

東京メトロ日比谷線
最寄駅:入谷駅
北口3番出口より徒歩約7分

つくばエクスプレス(TX)
最寄駅:浅草駅
出口より徒歩約8分

東京メトロ日比谷線
最寄駅:三ノ輪駅
出口より徒歩約10分

東武スカイツリーライン・東京メトロ銀座線・都営浅草線
最寄駅:浅草駅
出口より徒歩約15分

最も便利なのは東京メトロ日比谷線の入谷駅で、駅から鷲神社までは案内標識も整備されており、初めて訪れる方でも迷わず到着できます。

バスでのアクセス

都営バスや台東区循環バス「めぐりん」も利用可能です。最寄りのバス停は「千束」または「竜泉」で、そこから徒歩数分です。

車でのアクセス

首都高速道路を利用する場合は、入谷出口または上野出口が便利です。ただし、鷲神社周辺には専用駐車場がないため、近隣のコインパーキングを利用する必要があります。

特に酉の市の期間中は周辺道路が大変混雑し、交通規制も実施されるため、公共交通機関の利用を強くお勧めします。

酉の市期間中の注意点

酉の市の期間中(特に一の酉)は、例年数十万人の人出があり、周辺は大変混雑します。以下の点にご注意ください:

  • 最寄り駅から神社まで、通常の数倍の時間がかかることがあります
  • 深夜から早朝にかけても混雑が続きます
  • 周辺道路は交通規制が実施されます
  • 貴重品の管理には十分注意してください
  • 動きやすい服装と靴でお越しください

御朱印とお守り

御朱印

鷲神社では、通常の御朱印のほか、酉の市期間限定の特別御朱印もいただくことができます。御朱印は社務所で受け付けており、初穂料は通常500円程度です。

浅草名所七福神巡りの御朱印もこちらでいただけます。七福神巡り専用の色紙や御朱印帳も販売されています。

お守りと縁起物

鷲神社では、様々なお守りや縁起物を授与しています:

  • 商売繁昌守: 事業繁栄を願うお守り
  • 開運守: 全般的な運気上昇のお守り
  • 出世守: 仕事での成功を願うお守り
  • 厄除守: 災厄を払うお守り
  • 健康長寿守: 寿老人のご利益を授かるお守り
  • 交通安全守: 交通事故からの守護

酉の市の期間中は、熊手のほかにも「かっこめ」と呼ばれる縁起物の飾りなども販売されます。

年中行事

鷲神社では、酉の市以外にも様々な年中行事が執り行われています。

主な年中行事

1月1日 – 元旦祭
新年を祝い、一年の平安を祈願する祭事

2月3日 – 節分祭
豆まきを行い、厄を払い福を招く行事

7月 – 夏越の大祓
半年間の罪穢れを祓い清める神事

11月酉の日 – 酉の市(例大祭)
一年で最も重要な祭事

12月31日 – 大祓・除夜祭
一年の締めくくりとして罪穢れを祓う神事

これらの行事の詳細な日程や時間については、公式サイトで確認することをお勧めします。

周辺の見どころ

鷲神社の周辺には、浅草の歴史と文化を感じられるスポットが数多くあります。

長国寺

鷲神社に隣接する日蓮宗の寺院で、酉の市を共同開催しています。江戸時代には神仏習合により鷲神社と一体でしたが、明治の神仏分離後も協力関係を続けています。

吉原神社

徒歩圏内にある神社で、かつての吉原遊郭の守護神として信仰されていました。現在は縁結びや技芸上達のご利益があるとされています。

浅草寺

東京を代表する観光名所である浅草寺まで徒歩15分程度です。雷門、仲見世通りなど、江戸の風情を感じられるスポットが集まっています。

台東区立一葉記念館

明治の女流作家・樋口一葉を記念した文学館です。一葉が晩年を過ごした竜泉の地に建てられており、鷲神社からも近い場所にあります。

参拝のマナーとポイント

鷲神社を参拝する際の基本的なマナーとポイントをご紹介します。

基本的な参拝作法

  1. 鳥居をくぐる: 一礼してから鳥居をくぐります
  2. 手水舎で清める: 左手、右手、口の順に清めます
  3. 参道を歩く: 中央は神様の通り道なので、端を歩きます
  4. 拝殿前での作法: 二拝二拍手一拝(二度深くお辞儀、二度拍手、一度深くお辞儀)

写真撮影について

境内での写真撮影は基本的に可能ですが、祭事中や他の参拝者の迷惑にならないよう配慮が必要です。社殿内部の撮影は禁止されている場合がありますので、事前に確認しましょう。

服装について

普段着での参拝で問題ありませんが、あまりにラフすぎる服装は避けるのが望ましいでしょう。酉の市の期間中は混雑するため、動きやすく、貴重品を管理しやすい服装がお勧めです。

まとめ

東京都台東区千束に鎮座する鷲神社は、天日鷲命と日本武尊を御祭神とし、酉の市発祥の地として全国に知られる由緒ある神社です。「おとりさま」の愛称で親しまれ、開運招福、商売繁昌、出世開運など多くのご利益があるとされています。

毎年11月の酉の市には数十万人が訪れ、熊手を求めて賑わう光景は東京の秋の風物詩となっています。浅草名所七福神の一つとして寿老人も祀られており、健康長寿のご利益も授かることができます。

東京メトロ日比谷線入谷駅から徒歩約7分とアクセスも良好で、浅草観光と合わせて訪れるのもお勧めです。江戸の歴史と伝統が息づく鷲神社で、開運と商売繁昌を祈願してみてはいかがでしょうか。

公式サイト(https://otorisama.or.jp/)では最新の情報や行事予定を確認できますので、参拝前にチェックすることをお勧めします。

Google マップで開く

近隣の神社仏閣