久国神社(東京都港区)完全ガイド|歴史・御朱印・アクセス情報
東京都港区六本木という都会の中心地に、静かな佇まいを見せる久国神社(ひさくにじんじゃ)。鎌倉時代の名刀にその名を由来し、江戸城築城の歴史と深く結びついたこの神社は、港七福神めぐりの布袋尊としても知られています。本記事では、久国神社の歴史、御祭神、御朱印、境内の見どころ、アクセス方法まで、参拝に役立つ情報を網羅的にご紹介します。
久国神社の基本情報
正式名称:久国神社(久國神社)
読み方:ひさくにじんじゃ
所在地:東京都港区六本木2丁目1番16号
御祭神:倉稲魂命(うかのみたまのみこと)
旧社格:無格社
旧称:久国稲荷神社
例祭日:9月15日
ご利益:商売繁盛、五穀豊穣、開運招福
久国神社は東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」から徒歩約5分の場所に位置し、六本木という繁華街にありながら、緑豊かで静謐な雰囲気を保っています。
久国神社の歴史
創建と千代田村紅葉時代
久国神社の創建年代は不詳ですが、古くは千代田村紅葉(現在の皇居内)に鎮座していたと伝えられています。勧請年月は明らかではありませんが、江戸城が築かれる以前から、この地域の信仰を集めていた神社であったことがうかがえます。
太田道灌と江戸城築城
久国神社の歴史において最も重要な転機は、太田道灌による江戸城築城と深く関わっています。長禄元年(1457年)、太田道灌が江戸城を築城すると、寛正6年(1465年)、城隍の鎮守として溜池に遷座されました。
「城隍の鎮守」とは、城の守護神として祀られることを意味します。江戸城という重要な軍事拠点の守護を担う神社として、久国神社は当時から重要な位置づけにあったことがわかります。
「久国」の名の由来
神社名の由来となったのは、鎌倉時代の著名な刀工・粟田口久国(あわたぐちひさくに)作の名刀です。太田道灌がこの久国作の宝刀を神社に寄進したことから、「久国稲荷神社」と称されるようになりました。
粟田口派は京都の刀工集団として知られ、その中でも久国は特に優れた刀工として名を馳せました。その名刀が神社に奉納されたことは、当時の久国稲荷神社の格式の高さを物語っています。
六本木への遷座
寛保元年(1741年)、久国稲荷神社は現在の港区六本木の地に遷座しました。この遷座により、旧谷町・旧箪笥町の鎮守として、地域の人々の信仰を集めるようになります。
江戸時代を通じて「久国稲荷神社」として親しまれてきましたが、昭和20年(1945年)に現在の「久国神社」と改称されました。一説には昭和2年(1927年)に改称されたとする資料もあります。
戦後から現代へ
第二次世界大戦の戦災を経て、久国神社は六本木の発展とともに歩んできました。高度経済成長期に六本木が繁華街として発展する中でも、神社は静かな佇まいを保ち続け、都会のオアシスとして地域住民や参拝者に親しまれています。
現在では、港七福神めぐりの布袋尊を担う神社として、特に正月には多くの参拝者で賑わいます。
御祭神とご利益
倉稲魂命(うかのみたまのみこと)
久国神社の御祭神は倉稲魂命です。倉稲魂命は穀物・食物を司る神様で、一般的に「お稲荷さん」として広く信仰されています。『古事記』では須佐之男命(すさのおのみこと)と神大市比売(かむおおいちひめ)の子として記されています。
「ウカ」は食物を意味し、「タマ」は霊を表すため、倉稲魂命は「食物の霊」という意味を持ちます。稲荷信仰の中心的な神様として、全国の稲荷神社で祀られています。
ご利益
久国神社では以下のようなご利益があるとされています:
- 商売繁盛:稲荷神社の代表的なご利益
- 五穀豊穣:農業・食物に関する恵み
- 産業発展:事業の成功と発展
- 開運招福:港七福神の布袋尊としての福徳
- 家内安全:家族の健康と安全
特に六本木という商業地域に鎮座することから、周辺で働くビジネスパーソンや経営者の参拝も多く見られます。
港七福神めぐりと布袋尊
港七福神めぐりとは
久国神社は「港七福神めぐり」の一つとして、布袋尊を祀っています。港七福神めぐりは、港区内の8つの寺社を巡拝する人気の七福神めぐりコースです。
港七福神めぐりの構成:
- 宝珠院(弁財天)
- 大法寺(大黒天)
- 天祖神社(福禄寿)
- 熊野神社(恵比寿神)
- 櫻田神社(寿老神)
- 氷川神社(毘沙門天)
- 久国神社(布袋尊)
- 十番稲荷神社(宝船)
布袋尊について
布袋尊は七福神の一柱で、唐の時代に実在したとされる禅僧・契此(かいし)がモデルとされています。大きな袋を背負い、太鼓腹で笑顔の姿で描かれることが多く、以下のようなご利益があるとされています:
- 笑門来福:笑う門には福来たる
- 夫婦円満:家庭の和合
- 子宝:子孫繁栄
- 商売繁盛:福徳円満
久国神社では、布袋尊の像が境内に祀られており、参拝者は布袋様のお腹を撫でることで福を授かると信じられています。
七福神めぐりの時期
港七福神めぐりは一年中可能ですが、特に正月(1月1日~7日頃)には専用の色紙や宝船の授与が行われ、多くの参拝者で賑わいます。久国神社でも、この期間は布袋尊の御朱印を求める参拝者が列をなします。
御朱印・御朱印帳情報
御朱印について
久国神社では、通常の御朱印と布袋尊の御朱印の2種類をいただくことができます。
通常の御朱印:
- 中央に「久国神社」の墨書き
- 神社の朱印
- 初穂料:300円~500円程度
布袋尊の御朱印:
- 「布袋尊」の墨書き
- 港七福神めぐり専用の朱印
- 初穂料:300円~500円程度
御朱印の受付時間
御朱印の受付時間は神社の社務所が開いている時間帯に限られます。一般的には:
- 平日・土日:9時~17時頃
- 正月期間:時間延長の場合あり
ただし、宮司不在の場合は御朱印をいただけないこともあるため、確実に御朱印をいただきたい場合は事前に確認することをおすすめします。
御朱印帳
久国神社オリジナルの御朱印帳については、授与の有無が時期によって異なる場合があります。港七福神めぐり専用の色紙や宝船は正月期間に授与されています。
境内の見どころ
社殿
久国神社の社殿は、戦後に再建されたもので、こじんまりとしながらも端正な造りとなっています。六本木という都会の真ん中にありながら、静謐な雰囲気を保っており、参拝者に安らぎを与えます。
布袋尊像
境内には布袋尊の像が安置されており、港七福神めぐりの参拝者が必ず立ち寄るスポットとなっています。ふくよかで笑顔の布袋様は、見る者に福を授けてくれるような温かい表情をしています。
稲荷社の特徴
久国神社は元々「久国稲荷神社」と称されていたお稲荷様です。境内には稲荷信仰の象徴である狐の像や、朱塗りの要素が見られ、稲荷神社としての伝統を今に伝えています。
緑豊かな境内
六本木という繁華街の中にありながら、久国神社の境内は緑が豊かで、都会のオアシスとして機能しています。大通りから一本奥に入った静かな立地も相まって、喧騒を離れて心を落ち着けることができる空間となっています。
アクセス情報
電車でのアクセス
最寄り駅:
- 東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」
- 徒歩約5分
- 最も近い駅
- 東京メトロ日比谷線・都営大江戸線「六本木駅」
- 徒歩約8~10分
- 3番出口が便利
- 東京メトロ千代田線「乃木坂駅」
- 徒歩約10分
徒歩ルート(六本木一丁目駅から)
- 六本木一丁目駅の改札を出る
- 泉ガーデンタワー方面へ進む
- 外苑東通りを六本木方面へ
- 六本木2丁目の住宅街に入る
- 左手に久国神社が見えます
車でのアクセス
久国神社には専用の駐車場がありません。車で参拝される場合は、近隣のコインパーキングを利用する必要があります。六本木周辺は駐車料金が高めですので、公共交通機関の利用をおすすめします。
周辺の目印
- 泉ガーデンタワー
- 六本木ヒルズ(徒歩圏内)
- 東京ミッドタウン(徒歩圏内)
参拝のマナーと作法
基本的な参拝作法
- 鳥居の前で一礼:鳥居をくぐる前に一礼します
- 手水舎で清める:
- 右手で柄杓を持ち、左手を清める
- 左手に持ち替えて右手を清める
- 再び右手に持ち替え、左手に水を受けて口をすすぐ
- 最後に柄杓を立てて柄を清める
- お賽銭を入れる:静かに賽銭箱に入れます
- 二拝二拍手一拝:
- 2回深くお辞儀
- 2回拍手
- 1回深くお辞儀
- 鳥居を出る際に一礼
稲荷神社特有の作法
久国神社は稲荷神社ですが、参拝作法は一般的な神社と同じ「二拝二拍手一拝」です。一部の稲荷神社では「二拝四拍手一拝」を行うところもありますが、久国神社では通常の作法で問題ありません。
年中行事
例祭(9月15日)
久国神社の最も重要な祭礼で、御祭神である倉稲魂命を祀る祭典が執り行われます。
初詣・港七福神めぐり(1月1日~7日)
正月期間は港七福神めぐりの参拝者で最も賑わう時期です。布袋尊の御朱印を求める人々で行列ができることもあります。
初午祭(2月初午の日)
稲荷神社の重要な祭礼である初午祭が行われます。稲荷神が降臨したとされる日を祝う伝統行事です。
周辺の神社仏閣
久国神社の周辺には、他にも歴史ある神社仏閣が点在しています。
櫻田神社
港区西麻布に鎮座する神社で、港七福神の寿老神を祀っています。久国神社から徒歩約15分。
氷川神社(赤坂氷川神社)
港区赤坂に鎮座する格式高い神社で、港七福神の毘沙門天を祀っています。江戸時代の社殿が現存する貴重な神社です。
天祖神社
港区六本木に鎮座し、港七福神の福禄寿を祀っています。久国神社から徒歩圏内です。
十番稲荷神社
麻布十番に鎮座する稲荷神社で、港七福神の宝船を担当しています。かえる像で有名な神社です。
久国神社の魅力
都会の中の静寂
六本木という国際的な繁華街の中にありながら、久国神社は驚くほど静かで落ち着いた雰囲気を保っています。大通りから一本入った場所に位置し、交通量や人通りも少ないため、都会の喧騒を忘れて心を落ち着けることができます。
歴史の重み
太田道灌と江戸城築城という日本史上重要な出来事と結びついた歴史を持ち、鎌倉時代の名刀「久国」にその名を由来するという、ロマンあふれる由緒を持っています。
アクセスの良さ
六本木一丁目駅から徒歩5分という好立地にあり、仕事の合間や買い物のついでに気軽に参拝できます。六本木ヒルズや東京ミッドタウンなど、観光スポットからも近いため、観光ルートに組み込みやすい立地です。
港七福神めぐりの楽しみ
布袋尊を祀る神社として、港七福神めぐりの一つに数えられており、七福神めぐりという日本の伝統的な信仰文化を体験できます。
参拝時の注意点
社務所の開所時間
御朱印や授与品をいただきたい場合は、社務所が開いている時間帯に参拝する必要があります。宮司不在の場合もあるため、確実に御朱印をいただきたい方は事前確認をおすすめします。
住宅街の中の神社
久国神社は住宅街の中に位置しているため、参拝の際は近隣住民への配慮が必要です。大声での会話や騒音は控えましょう。
写真撮影
境内での写真撮影は一般的に可能ですが、他の参拝者の迷惑にならないよう配慮し、社殿内部の撮影は控えるか、許可を得てから行いましょう。
まとめ
久国神社は、東京都港区六本木という都会の中心地にありながら、静謐な雰囲気と豊かな歴史を持つ神社です。太田道灌と江戸城築城、鎌倉時代の名刀久国という歴史的背景を持ち、現在は港七福神めぐりの布袋尊として多くの参拝者に親しまれています。
六本木一丁目駅から徒歩5分というアクセスの良さ、都会の喧騒を忘れさせる緑豊かな境内、そして倉稲魂命を御祭神とする商売繁盛・開運招福のご利益。これらすべてが、久国神社の魅力を形作っています。
六本木での買い物や食事の際、あるいは港七福神めぐりの一環として、ぜひ久国神社を訪れてみてください。都会の真ん中で、静かに歴史と伝統を感じることができる貴重な体験となるでしょう。
