水稲荷神社(東京都新宿区)

水稲荷神社(東京都新宿区)
創建年 (西暦) 941
住所 〒169-0051 東京都新宿区西早稲田3丁目5−43
公式サイト http://mizuinari.net/

水稲荷神社(東京都新宿区)完全ガイド|歴史・御利益・御朱印・アクセス情報

東京都新宿区西早稲田に鎮座する水稲荷神社は、1000年以上の歴史を持つ由緒ある神社です。霊水の湧出伝説から「水稲荷」の名を持ち、眼病平癒、水商売繁盛、消防の守護神として広く信仰を集めています。本記事では、水稲荷神社の歴史、御利益、見どころ、御朱印情報、アクセス方法まで、訪れる前に知っておきたい情報を網羅的にご紹介します。

水稲荷神社の基本情報

所在地:東京都新宿区西早稲田3-5-43
電話番号:03-3200-4621
最寄り駅:都電荒川線「面影橋駅」徒歩5分、東京メトロ東西線「早稲田駅」徒歩10分
主祭神:倉稲魂大神(うかのみたまのおおかみ)、佐田彦大神(さだひこのおおかみ)、大宮姫大神(おおみやひめのおおかみ)
旧称:冨塚稲荷、将軍稲荷
社格:旧村社

水稲荷神社は早稲田大学のキャンパスに近く、学生や地域住民に親しまれている神社です。境内には甘泉園公園が隣接し、都会の中の静かな憩いの場として多くの参拝者が訪れています。

水稲荷神社の歴史と由緒

創建と藤原秀郷伝説

水稲荷神社の創建は天慶4年(941年)に遡ります。平将門の乱を平定した武将・藤原秀郷(俵藤太秀郷朝臣)が、旧社地である富塚(現在の早稲田大学9号館裏付近)の上に稲荷大神を勧請したことが始まりとされています。

藤原秀郷は平将門討伐の功績で知られる平安時代の武将で、「俵藤太」の名で百足退治の伝説でも有名です。将門の乱平定後、武運長久と地域の平安を祈願して稲荷大神を祀ったとされ、当初は「冨塚稲荷」または「将軍稲荷」と呼ばれていました。

霊水湧出と「水稲荷」への改称

水稲荷神社の名前の由来は、元禄15年(1702年)に起きた奇跡的な出来事にあります。境内にあった大椋(おおむく)の古木の幹の空洞から、突然清らかな霊水が湧き出したのです。

この霊水は眼病に効くと評判になり、多くの人々が水を求めて参拝に訪れました。さらに神託として「我を信仰するものは火難を免れしむべし」との託宣があったとされ、以来「水稲荷神社」と称されるようになりました。この霊水伝説が、神社名の由来の一つとなっています。

江戸時代の繁栄

江戸時代を通じて、水稲荷神社は江戸市中の庶民から武家まで幅広い信仰を集めました。特に眼病平癒の御利益で知られ、「目の神様」として参拝者が絶えませんでした。また、水の神様として水商売に携わる人々や、火災から守る神として消防関係者からも篤く信仰されました。

境内には富士塚が築かれ、富士講の人々の信仰の場ともなりました。この富士塚は江戸最古のものとされ、現在も重要な文化財として保存されています。

近代の遷座と現在

明治時代には村社に列格され、地域の鎮守として崇敬を集めました。しかし昭和38年(1963年)、早稲田大学のキャンパス拡張に伴い、約300メートル離れた現在地(清水徳川家下屋敷跡地)に遷座しました。

旧社地は現在早稲田大学9号館の裏手にあたり、遷座記念碑が建てられています。現在の社地は甘泉園公園に隣接し、緑豊かな環境の中で地域の信仰を集め続けています。

御祭神と御利益

主祭神

倉稲魂大神(うかのみたまのおおかみ)
稲荷神として知られる食物・穀物の神様です。「宇迦之御魂大神」とも表記され、五穀豊穣、商売繁盛の御利益があるとされています。稲荷信仰の中心的な神格で、全国の稲荷神社で祀られています。

佐田彦大神(さだひこのおおかみ)
導きの神、道の神として知られ、猿田彦大神と同一視されることもあります。交通安全、方位除け、開運招福の御利益があるとされています。

大宮姫大神(おおみやひめのおおかみ)
稲荷神の眷属神とされる女神で、家内安全、縁結び、子授けの御利益があるとされています。

水稲荷神社の特別な御利益

眼病平癒
霊水伝説に由来する最も有名な御利益です。江戸時代から「目の神様」として知られ、眼病に悩む人々が全国から参拝に訪れました。現代でも眼の健康を祈願する参拝者が多く訪れています。

水商売繁盛
水の神様としての性格から、飲食業、料亭、バー、クラブなど水商売に携わる方々の信仰を集めています。商売繁盛、客足繁栄の御利益があるとされています。

火災除け・消防守護
「火難を免れしむべし」との神託から、火災から守る神様として消防関係者の信仰が篤く、消防署や消防団の方々が安全祈願に訪れます。

その他の御利益

  • 商売繁盛(稲荷神の基本的御利益)
  • 五穀豊穣
  • 家内安全
  • 開運招福
  • 交通安全
  • 学業成就(早稲田の地にあることから学生の参拝も多い)

境内の見どころ

江戸最古の富士塚

水稲荷神社境内にある富士塚は、江戸最古のものとして貴重な文化財です。富士塚とは、富士山に登拝できない人々のために、富士山を模して築かれた人工の山のことです。

水稲荷神社の富士塚は寛文年間(1661-1673年)頃に築造されたとされ、江戸における富士講信仰の歴史を今に伝える重要な遺構です。塚の頂上には浅間神社が祀られており、ミニチュアながら富士登山の疑似体験ができる構造になっています。

現在も6月30日・7月1日の富士山の山開きに合わせて例祭が行われ、多くの参拝者が訪れます。

境内社と摂末社

水稲荷神社の境内には、複数の境内社が祀られています。

三島神社
大山祇命を祀り、山の神、海の神として信仰されています。

子育稲荷神社
子どもの健やかな成長を祈願する神社です。

耳欠神社
珍しい名前の神社で、願掛けの際に狐の石像の耳を持ち帰り、願いが叶ったら耳を二つにして返すという独特の信仰形態があります。

その他にも61社もの小さな社が境内に祀られており、多様な信仰を受け入れてきた神社の歴史を物語っています。

太田道灌ゆかりの松

境内には太田道灌ゆかりの松があったとされています。太田道灌は室町時代の武将で江戸城の築城者として知られ、この地域とも縁が深い人物です。現在は松は残っていませんが、その由緒を示す碑が建てられています。

堀部安兵衛の碑

赤穂浪士四十七士の一人、堀部安兵衛ゆかりの碑も境内にあります。堀部安兵衛は高田馬場の決闘で知られる剣豪で、この地域との関連を示す史跡として保存されています。

平和の礎碑

境内には第61代〜63代内閣総理大臣を務めた佐藤栄作氏の書による「平和の礎」碑が建立されています。佐藤栄作氏はノーベル平和賞を受賞した政治家で、この碑は平和への願いを込めて建てられました。

神社の動物たち

水稲荷神社では、境内でヤギが飼育されていることで知られています。参拝者、特に子どもたちに人気で、神社の癒しスポットとなっています。かつては馬も飼育されていたという記録があります。

御朱印情報

水稲荷神社では御朱印をいただくことができます。

御朱印の特徴
中央に「水稲荷神社」の墨書き、右側に「新宿区西早稲田鎮座」、左側に参拝日が記されます。朱印は神社印と「水稲荷神社」の印が押されます。シンプルながら力強い書体が特徴です。

初穂料:300円〜500円程度
受付時間:社務所が開いている時間(概ね9:00〜17:00)
注意点:宮司不在の場合は御朱印をいただけないことがあります。確実に御朱印をいただきたい場合は、事前に電話で確認することをおすすめします。

特別な日(例祭日など)には限定御朱印が授与されることもあります。

年中行事と例祭

元旦祭(1月1日)
新年を祝う祭典。初詣の参拝者で賑わいます。

節分祭(2月3日頃)
豆まきが行われ、地域の方々が多く参加します。

初午祭(2月初午の日)
稲荷神社の重要な祭日。商売繁盛を祈願する参拝者が訪れます。

富士塚例祭(6月30日・7月1日)
富士山の山開きに合わせて行われる祭典。富士塚に登拝する参拝者で賑わいます。

例大祭(9月)
水稲荷神社の最も重要な祭典。神輿渡御や奉納行事が行われます。

七五三(11月)
子どもの成長を祝う七五三詣での参拝者が多く訪れます。

アクセス・交通案内

電車でのアクセス

都電荒川線
「面影橋駅」下車、徒歩約5分(最寄り駅)
神田川沿いを歩き、甘泉園公園の方向へ向かいます。

東京メトロ東西線
「早稲田駅」下車、徒歩約10分
3a出口から早稲田通りを北上し、西早稲田交差点を左折。

JR山手線・西武新宿線
「高田馬場駅」下車、徒歩約15分
または都バス「西早稲田」バス停下車、徒歩3分。

バスでのアクセス

都営バス

  • 早77系統「西早稲田」バス停下車、徒歩3分
  • 高71系統「西早稲田」バス停下車、徒歩3分

車でのアクセス

首都高速5号池袋線「早稲田出口」から約5分。ただし、境内に駐車場はありませんので、近隣のコインパーキングをご利用ください。甘泉園公園周辺にいくつか駐車場があります。

周辺の観光スポット

甘泉園公園(隣接)
清水徳川家の下屋敷跡を整備した日本庭園。四季折々の美しい景観が楽しめます。

早稲田大学(徒歩5分)
日本を代表する私立大学。キャンパス内には大隈記念講堂など見どころがあります。

新江戸川公園(肥後細川庭園)(徒歩10分)
細川家の下屋敷跡を整備した回遊式日本庭園。

東京都立戸山公園(徒歩15分)
箱根山(都内最高峰の人工山)がある広大な公園。

参拝のマナーと注意点

基本的な参拝作法

  1. 鳥居をくぐる前に一礼
  2. 手水舎で手と口を清める
  3. 拝殿前で二拝二拍手一拝
  4. 願い事は心の中で唱える
  5. 退出時も鳥居で一礼

撮影について

境内での撮影は基本的に可能ですが、他の参拝者の迷惑にならないよう配慮しましょう。本殿内部や神事中の撮影は控えてください。

参拝に適した時間帯

境内は24時間入ることができますが、社務所の開所時間は概ね9:00〜17:00です。御朱印や授与品をいただきたい場合は、この時間帯に参拝することをおすすめします。

静かに参拝したい方は、早朝や平日の午前中が比較的空いています。

水稲荷神社の魅力と現代的意義

水稲荷神社は、1000年以上の歴史を持ちながら、現代の都市生活に溶け込んでいる神社です。早稲田という文教地区に位置し、学生から地域住民、ビジネスパーソンまで幅広い層に親しまれています。

霊水伝説や眼病平癒の御利益は、現代のデジタル社会で目を酷使する人々にとって、より一層意味を持つものとなっています。また、水商売や消防という特定の職業の守護神としての性格は、神社が常に時代と共に生きてきた証です。

江戸最古の富士塚や多数の境内社は、江戸時代の庶民信仰の多様性を今に伝える貴重な文化遺産です。都会の喧騒の中で、歴史と信仰の重みを感じられる場所として、水稲荷神社は訪れる価値のある神社といえるでしょう。

まとめ

東京都新宿区西早稲田に鎮座する水稲荷神社は、天慶4年(941年)の創建以来、1000年以上にわたり地域の信仰を集めてきた由緒ある神社です。藤原秀郷による創建伝説、元禄時代の霊水湧出の奇跡、そして昭和の遷座という歴史を経て、現在も多くの参拝者に親しまれています。

眼病平癒、水商売繁盛、消防守護という独特の御利益、江戸最古の富士塚、61社にも及ぶ境内社など、見どころも豊富です。早稲田という交通至便な立地にありながら、甘泉園公園に隣接する緑豊かな環境で、都会の中の静かな祈りの場となっています。

早稲田大学周辺を訪れる際には、ぜひ水稲荷神社にも足を運んでみてください。歴史の重みと現代の息吹が交差する、東京の隠れた名所です。

地図

Google マップで開く

Google マップで開く

近隣の神社仏閣