飯守神社(東京都町田市)

飯守神社(東京都町田市)
創建年 (西暦) 1650
住所 〒195-0051 東京都町田市真光寺町

飯守神社(東京都町田市)完全ガイド|歴史・御朱印・アクセス情報

東京都町田市真光寺町に鎮座する飯守神社(いいもりじんじゃ)は、江戸時代初期の慶安3年(1650年)に創建された歴史ある神社です。かつて武蔵国総社である大國魂神社(府中市)の例大祭「くらやみ祭」に御饌(神様へのお供え物)を奉納していた由緒を持ち、その役割から「飯森明神」「飯盛明神」と称されていました。本記事では、飯守神社の詳細な歴史、御祭神、境内の見どころ、御朱印情報、アクセス方法まで、参拝に役立つ情報を網羅的にご紹介します。

飯守神社の基本情報

所在地(鎮座地)
〒195-0051 東京都町田市真光寺町189

御祭神

  • 興津彦命(おきつひこのみこと)【主神】
  • 保食神(うけもちのかみ)【相殿】

興津彦命は食物を司る神とされ、保食神も五穀豊穣や食物の神として知られています。両神ともに食に関わる神様であることから、飯守神社が大國魂神社への御饌奉納という役割を担っていた歴史的背景と深く結びついています。

旧社格
村社

例祭日
9月18日

主な祭事・行事

  • 8月28日:風まつり
  • 9月18日:例祭

飯守神社の歴史と由緒

創建の経緯(慶安3年・1650年)

飯守神社は慶安3年(1650年)3月、当時の領主であった飯田次郎右衛門高家(いいだじろうえもんたかいえ)と、別当寺である観泉寺の法印俊誉(ほういんしゅんよ)によって創建されました。創建当初は「飯森明神」または「飯盛明神」と称されていました。

この「飯森」「飯盛」という名称は、武蔵国総社六所宮(現在の大國魂神社)の例大祭である「くらやみ祭」に、この地域が御饌(神饌)を奉納していたことに由来します。特に真光寺村では御飯を担当し、隣接する黒川村の汁守神社(しるもりじんじゃ)が汁物を担当していたという伝承が残っています。この二つの神社は対をなす存在として、地域の信仰を集めてきました。

文化7年の遷座再建(1810年)

文化7年(1810年)11月、領主岡部蔵之助と合領主漆戸兵三郎により、観泉寺十三世英衛の手によって遷座再建が行われました。この際、除地高二斗四升の寄進を受けています。除地とは年貢を免除された土地のことで、神社の維持管理のために領主から提供された土地でした。

明治期の改称

明治4年(1871年)、神仏分離令の影響もあり、「飯森明神」から現在の「飯守神社」へと改称されました。この時期は全国的に神社の社号整理が行われた時代で、多くの神社が名称を変更しています。

現代の社殿(昭和41年・1966年)

現在の社殿は昭和41年(1966年)9月18日に造営されたものです。戦後の高度経済成長期に建て替えられ、現在に至るまで地域の氏神様として崇敬されています。

境内の見どころ

社殿と鳥居

飯守神社の入口には木製の両部鳥居が立っています。両部鳥居は神仏習合時代の名残を示す形式で、本柱の前後に稚児柱(控え柱)を持つのが特徴です。鳥居をくぐると、こじんまりとした境内に社殿が鎮座しています。

社殿は昭和41年の造営ですが、丁寧に維持管理されており、地域の方々の信仰心の厚さが感じられます。周辺は住宅地として開発が進んでいますが、境内は静かで落ち着いた雰囲気を保っています。

境内社:武蔵御嶽神社

境内には武蔵御嶽神社(むさしみたけじんじゃ)が境内社として祀られています。御嶽信仰は山岳信仰の一つで、武蔵御嶽神社は東京都青梅市の御岳山に鎮座する古社の分霊を勧請したものと考えられます。

かつての境内社(大正期まで)

大正年間までは、以下の多くの境内社が祀られていました:

  • 神武天皇神明社
  • 諏訪神社
  • 金毘羅神社
  • 秋葉大権現
  • 道了大権現
  • 八雲神社
  • 八坂神社
  • 日吉神社
  • 東照宮

これらは後に合祀されたり、整理されたりしましたが、かつてこの地域に多様な信仰が存在していたことを物語っています。

御朱印情報

御朱印の授与場所

飯守神社の御朱印は、本務社である菅原神社(町田市本町田)で授与されています。飯守神社自体には常駐の神職がいないため、参拝後に菅原神社を訪れる必要があります。

菅原神社の所在地
東京都町田市本町田802

初穂料

初穂料:300円

御朱印の特徴

飯守神社の御朱印には、神社名と参拝日が墨書きされ、菅原神社の印が押されます。シンプルながらも丁寧に書かれた御朱印は、参拝の記念として多くの参拝者に親しまれています。

御朱印帳について

飯守神社独自の御朱印帳は現在のところ確認されていません。御朱印を希望される方は、ご自身の御朱印帳を持参されることをおすすめします。

アクセス・交通案内

最寄駅・路線

小田急多摩線「黒川駅」
徒歩約30分(約2.3km)

黒川駅からは鶴川街道を南東方向に進み、真光寺方面へ向かいます。坂道がありますが、散策を兼ねた参拝に適した距離です。

小田急小田原線「鶴川駅」
バス利用が便利

バスでのアクセス

鶴川駅からバスを利用する場合:

神奈川中央交通バス

  • 鶴川駅北口より「真光寺」「真光寺公園」方面行きに乗車
  • 「真光寺」バス停下車、徒歩約5分

バスの本数は日中1時間に2~3本程度です。最新の時刻表は神奈川中央交通の公式サイトでご確認ください。

自動車でのアクセス

鶴川街道経由
町田街道から鶴川街道に入り、真光寺町方面へ。カーナビゲーションには「東京都町田市真光寺町189」を入力してください。

駐車場
専用駐車場の有無については事前確認が必要です。周辺は住宅地のため、路上駐車は避け、公共交通機関の利用をおすすめします。

飯守神社と汁守神社の関係

飯守神社を語る上で欠かせないのが、川崎市麻生区黒川に鎮座する汁守神社(しるもりじんじゃ)との関係です。

大國魂神社への御饌奉納

武蔵国総社である大國魂神社(府中市)の例大祭「くらやみ祭」(献饌之儀)において、真光寺村(現在の町田市真光寺町)が御飯を、黒川村(現在の川崎市麻生区黒川)が汁物を調進して奉納していたという伝承があります。

この役割分担から、真光寺の神社は「飯盛」「飯森」と呼ばれ、黒川の神社は「汁守」と呼ばれるようになったとされています。両神社は鶴川街道を挟んで比較的近い位置にあり、対をなす存在として地域の歴史に刻まれています。

現在の両神社

現在、両神社とも静かな住宅地の中に鎮座しており、地域の氏神様として大切に守られています。歴史ファンや神社巡りを楽しむ方々の中には、両神社を合わせて参拝する方も少なくありません。

周辺の見どころ・観光スポット

真光寺公園

飯守神社から徒歩圏内にある真光寺公園は、自然豊かな都市公園です。四季折々の風景を楽しめ、散策やピクニックに最適なスポットです。

町田市内の他の神社

菅原神社(本務社)
飯守神社の御朱印を授与している菅原神社は、学問の神様・菅原道真公を祀る神社です。合わせて参拝されることをおすすめします。

町田天満宮
町田駅近くに鎮座する天満宮で、こちらも菅原道真公を祀っています。

参拝のマナーと注意点

基本的な参拝作法

  1. 鳥居をくぐる前に一礼
  2. 手水舎で心身を清める(手水舎がない場合は省略)
  3. 社殿前で二拝二拍手一拝
  4. 境内社にも参拝する場合は同様の作法で
  5. 退出時、鳥居を出たら振り返って一礼

撮影について

境内での撮影は一般的に可能ですが、他の参拝者への配慮を忘れずに。三脚の使用や大きな音を立てる行為は控えましょう。

参拝時間

飯守神社は常時参拝可能ですが、早朝や夜間の参拝は周辺住民への配慮から避けるのが望ましいでしょう。日中の明るい時間帯の参拝をおすすめします。

飯守神社の年中行事

風まつり(8月28日)

8月28日に執り行われる風まつりは、台風などの風害から農作物を守るための祭事です。かつて農業が盛んだった真光寺地域の歴史を今に伝える行事として、現在も継承されています。

例祭(9月18日)

9月18日の例祭は、飯守神社の年間で最も重要な祭事です。現在の社殿も昭和41年9月18日に造営されており、この日が神社にとって特別な日であることがわかります。

町田市の神社文化と飯守神社

町田市には数多くの神社が点在しており、それぞれが地域の歴史と文化を今に伝えています。飯守神社はその中でも、武蔵国総社との関わりという独特の歴史を持つ神社として注目されます。

町田市の歴史的背景

町田市域はかつて武蔵国多摩郡に属し、農村地帯として発展してきました。江戸時代には複数の領主による相給支配(複数の領主が一つの村を分割支配する形態)が行われており、飯守神社の文化7年再建時に「領主岡部蔵之助、合領主漆戸兵三郎」と記録されているのも、この支配形態を反映しています。

神仏習合の名残

飯守神社の創建に観泉寺の法印俊誉が関わっていること、別当寺として観泉寺が管理していたことは、江戸時代の神仏習合の実態を示しています。明治の神仏分離令によって神社と寺院は分離されましたが、その歴史的つながりは今も地域の記憶に残っています。

飯守神社参拝のおすすめプラン

半日コース:飯守神社と汁守神社を巡る

  1. 小田急線鶴川駅からスタート
  2. バスで真光寺へ移動
  3. 飯守神社参拝(30分)
  4. 徒歩またはバスで黒川方面へ移動
  5. 汁守神社参拝(30分)
  6. 小田急多摩線黒川駅へ

所要時間:約3~4時間

一日コース:町田の神社巡り

  1. 町田駅から町田天満宮参拝
  2. バスで本町田へ移動
  3. 菅原神社参拝・御朱印拝受
  4. バスまたは徒歩で真光寺へ
  5. 飯守神社参拝
  6. 真光寺公園で休憩・昼食
  7. 汁守神社参拝(オプション)

所要時間:約6~7時間

まとめ:飯守神社の魅力

飯守神社は、規模こそ大きくありませんが、武蔵国総社への御饌奉納という独特の歴史的役割を担ってきた神社として、大変興味深い存在です。慶安3年(1650年)の創建以来、370年以上にわたって地域の信仰を集め、真光寺町の氏神様として守られてきました。

食物を司る興津彦命と保食神を祀り、「飯」を担当したという由緒は、日本人の食文化と神道信仰の深いつながりを感じさせます。対をなす汁守神社との関係も含め、地域の歴史と文化を知る上で貴重な神社といえるでしょう。

町田市を訪れる際には、ぜひ飯守神社に足を運び、静かな境内で歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。御朱印は本務社の菅原神社で授与されますので、合わせて参拝されることをおすすめします。

参拝情報まとめ

  • 所在地:東京都町田市真光寺町189
  • 御祭神:興津彦命(主神)、保食神(相殿)
  • 例祭日:9月18日
  • 最寄駅:小田急多摩線黒川駅(徒歩約30分)、小田急小田原線鶴川駅(バス利用)
  • 御朱印:菅原神社で授与(初穂料300円)
  • 参拝時間:常時参拝可能(日中推奨)
  • 駐車場:要確認

飯守神社への参拝が、皆様にとって心豊かな時間となりますように。

地図

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